出世作再販から衝撃のマニア作まで百花繚乱!第63回全日本模型ホビーショー【長尾循の古今東西モデルカーよもやま話:第12回】

公開 : 2025.10.22 12:05

元モデル・カーズおよびカー・マガジン編集長である長尾循による、古今東西モデルカーに関する月イチのコラムです。第12回は10月17~19日の3日間、東京ビッグサイトで開催された『第63回全日本模型ホビーショー』の話です。

見逃せない春と秋の二大イベント

さる10月17~19日の3日間、東京ビッグサイトの南3、4ホールにて『第63回全日本模型ホビーショー』が開催されました(17日は業者招待日&プレスデイ)。これは毎年5月に開催される『静岡ホビーショー』と共に、模型ファンにとっては見逃せない春と秋の二大イベントです。

主催は1963年(昭和38年)に設立された日本プラモデル工業協同組合で、今回で第63回と長い歴史を誇ります。今回はそんなイベント会場からクルマのモデルを中心に、気になる製品と今時のトレンドをご紹介していきましょう。

10月17~19日の3日間、東京ビッグサイトで『第63回全日本模型ホビーショー』が開催。
10月17~19日の3日間、東京ビッグサイトで『第63回全日本模型ホビーショー』が開催。    長尾循

タミヤ:世界の度肝を抜いた出世作を再販

まずは静岡を代表する模型メーカーにして世界にその名を轟かせる『タミヤ』から。

静岡のいち木製模型メーカーから、現在の世界的なプラモデル/模型メーカーへと育て上げた田宮俊作会長の訃報は世界中の模型ファンにとって大きな衝撃であり悲しみでありましたが、そのタミヤ・ブースには1/12ビッグスケールシリーズのホンダF1 RA273のリニューアル再販モデルが展示されました。

タミヤから再販された、1/12ビッグスケールシリーズ『ホンダF1 RA273』。
タミヤから再販された、1/12ビッグスケールシリーズ『ホンダF1 RA273』。    長尾循

新作の1/24ホンダ・プレリュードや、再販が待たれていたスカイライン2000GTターボ(R30)の4ドアセダンなども大きな話題ながら、やはりここは俊作会長の偉業を偲びつつ、1967年に初版がリリースされ翌年のニュールンベルクトイフェアで世界のクルマ好きの度肝を抜いたタミヤの出世作、RA273の再販に注目してみました。

ハセガワ:2代目ソアラとローレルが登場

『自分にとっての懐かしいクルマ、思い出のクルマ』が世代によって異なるのはむしろ当然ですが、昨今の旧車市場的には、いまや20世紀末のクルマがりっぱなクラシックカーというご時世。史上最強のクラシックスポーツカーはもはやフェラーリ250GTOでもシェルビー・コブラでもなく、R32日産スカイラインGT-Rらしいです……。

というわけで、そんな実車の流れは当然模型の世界にも波及しています。静岡のプラモデルメーカーとして有名な『ハセガワ』からリリースされたのは2代目トヨタ・ソアラと2代目日産ローレルのハードトップ。確かに若い世代にとっては、おじいちゃんやお父さんが乗っていた少年時代の思い出の1台、というわけでありましょう。

ハセガワからリリースされた2代目トヨタ・ソアラ。
ハセガワからリリースされた2代目トヨタ・ソアラ。    長尾循

模型ファンの世代交代が順調に進んでいるということであれば、それはそれで目出たきことかと。まぁ、個人的にはソアラやローレルよりもトヨタ1600GTのフルディテールモデルが欲しいところです。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    長尾循

    Jun Nagao

    1962年生まれ。企画室ネコ時代を知る最後の世代としてモデル・カーズとカー・マガジンの編集に携わったのち定年退職。子供の頃からの夢「クルマと模型で遊んで暮らす人生」を目指し(既に実践中か?)今なおフリーランスとして仕事に追われる日々。1985年に買ったスーパーセブンにいまだに乗り続けている進歩のない人。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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