正しい方向性で世代交代 3代目新型 アウディQ3 TFSI 150(2) もう少欲しいし走りの個性

公開 : 2026.01.28 18:10

重要な存在になったQ3 「技術による先進」表す容姿 プレミアム感高いSラインの車内 ウインカーはパネルで操作 高負荷時に息苦しい1.5ターボ コーナリングは敏捷 UK編集部が3代目へ試乗


高負荷時にやや息苦しい1.5L 4気筒ターボ

3代目へ世代交代した、アウディQ3。1.5L 4気筒ガソリンターボは、車重1560kgのSUVを不足なく走らせる。低域から頼もしくトルクを生み出し、余裕を持って市街地の流れに合わせられる。7速デュアルクラッチATの変速も滑らかだ。

一方、高速道路ではやや息苦しい。4000rpm以上から吹け上がりが重くなり、加速時のキックダウンは遅れ気味。エンジンノイズも目立つようになる。実際に計測したところ、0-100km/h加速は9.4秒で、動力性能は強みとはいえない。

アウディQ3 TFSI 150 Sトロニック Sライン(英国仕様)
アウディQ3 TFSI 150 Sトロニック Sライン(英国仕様)

8速ATは、パドルで任意にギアを選んでも、自動的に変速することがしばしば。25.3kg-mの最大トルクを活かす設定といえるが、望まない変速をお節介に思う人はいるだろう。

Q3には、2.0L 4気筒の「EA888型」エンジンも設定され、203psか264psが発揮される。パドル操作に対しATが素早く反応し、鋭い加速がお望みなら、こちらを考えたい。

スムーズなプラグインHV 硬めの乗り心地

1.5Lプラグイン・ハイブリッドは、総合272ps。その全力を得るには、アクセルペダルを深く踏み込む必要があるが、エンジンと駆動用モーターのバトンタッチはスムーズで、現実的に110kmほど電気だけで走れる。特に中間加速がたくましい。

19.7kWhの駆動用バッテリーの充電が切れても、明確にパワーが低下するようにも感じられない。ブレーキペダルが、ややスポンジーではあるが。

アウディQ3 TFSI 150 Sトロニック Sライン(英国仕様)
アウディQ3 TFSI 150 Sトロニック Sライン(英国仕様)

乗り心地は、標準の19インチ・ホイールを履き、コンフォート・サスペンションが組まれたTFSI 150でも硬め。低速域では落ち着きに欠け、高速域でもしなやかさは増さない印象。路面が滑らかなら快適だが、ツギハギの多い区間では揺れが続いてしまう。

オプションで組めるツインバルブのアダプティブダンパーは、投資する価値があるだろう。圧縮・伸張で異なるバルブが内蔵され、巧みに衝撃を吸収しつつ、姿勢制御には締りもある。より心地よく移動できるはず。

コーナリングは敏捷 走行時の車内は静か

硬めのサスペンションと、ロックトゥロックが2.1回転とクイックな可変式ステアリングが貢献し、Q3のコーナリングは敏捷。ファミリーSUVでありながら、旋回時のボディの傾きが抑えられ、安定感も高い。

強い一体感で運転へ惹き込まれるほどではないが、道を問わず高めの速度域で運転しやすい。優れたシャシー能力を感じさせる強みだろう。車内ノイズは、80km/hで61dBAと、このクラスの平均を3dBA下回った。それだけに、乗り心地が惜しい。

アウディQ3 TFSI 150 Sトロニック Sライン(英国仕様)
アウディQ3 TFSI 150 Sトロニック Sライン(英国仕様)

アダプティブ・クルーズコントロールなどの運転支援システムは、概ね好調に機能していた。タッチモニターの左上には、制限速度警告のアイコンがあり、1度のタップでオフにできる。車線維持支援なども簡単にオフにできるが、そうさせる場面は低いと思う。

燃費は、高速道路を巡航させて15.2km/Lに届いた。新しいフォルクスワーゲンティグアンの方が僅かに優れるものの、良好といっていい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    役職:デジタル編集者
    10年以上ジャーナリストとして活動し、雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿してきた。現在はオンライン版AUTOCARの編集者を務めている。オースチンやフェラーリなど、1万円から1億円まで多数のクルマをレビューしてきた。F1のスター選手へのインタビュー経験もある。これまで運転した中で最高のクルマは、学生時代に買った初代マツダMX-5(ロードスター)。巨大なジャガーXJ220も大好き。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

アウディQ3 TFSI 150の前後関係

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