ニュールンベルク・トイフェアで配布される特別なミニカーたち【長尾循の古今東西モデルカーよもやま話:第10回】

公開 : 2025.08.27 17:00

元モデル・カーズおよびカー・マガジン編集長である長尾循による、古今東西モデルカーに関する月イチのコラムです。第10回は、毎年1月末~2月上旬に開催される『ニュールンベルク・トイフェア』で配布される特別なミニカーの話です。

戦後復興の意味合いも込めて1950年にスタート

ジュネーブ、フランクフルト、パリ、ニューヨーク、上海など世界各国で開催されるモーターショーは当サイトでもお馴染みですが、模型や玩具の分野でも世界的なショーや見本市というものがいくつもあります。

中でもよく知られているのが、ドイツ南部の古都ニュールンベルクで毎年開催されている『Spielwarenmesse(シュピールヴァーレンメッセ)』。元々ニュールンベルクは古くから玩具産業が盛んだった土地柄で、第二次世界大戦で街が壊滅的な被害を受けた後、戦後復興の意味合いも込めて1950年から始まったイベントです。

今回この項でご紹介する、『ニュールンベルク・トイフェア出展記念限定ミニカー』。
今回この項でご紹介する、『ニュールンベルク・トイフェア出展記念限定ミニカー』。    長尾循

毎年世界60ヵ国以上から2000社以上の企業が出展し、世界120ヵ国以上から約6万人の来場者が集まるという、世界最大級の玩具見本市。日本ではシュピールヴァーレンメッセというその正式名称よりも、『ニュールンベルク・トイフェア』という呼び名の方が通りがいいかもしれませんね。

イベントは毎年1月末ないし2月上旬あたりに開催されますが、膨大な会場内にはぬいぐるみや積み木、絵本からゲームまで、世界中のあらゆる玩具が10以上のホールを埋め尽くします。

そんな中、クルマ好きの我々が注目するのはもちろん世界中のミニカーメーカーやプラモデルメーカー、そのインポーターなどが集中するホール7界隈。このエリアだけでも、1日では回りきれないほどのボリュームです。

かのタミヤがまだ世界的には無名だった時代に、1/12ホンダF1の精緻なプラモデルを引っ提げてこのイベントに初参加、その時に世界中の模型ファンに与えたインパクトの大きさは、日本の模型好きの間では今なおたいへんに誇らしいエピソードとして語り継がれています。

毎年この場所でしか手に入らない

ちなみにこのニュールンベルク・トイフェアは本来的な意味での玩具見本市ですので、基本的にはバイヤーと報道関係者しか入場できません。いち模型ファンの立場的には、例えば静岡ホビーショーのように、業者日に加え一般公開日もあればいいのにとも思いますが、おそらくそうしちゃうと世界中から収拾がつかないほどのファンが集まっちゃうのかもしれません。

そんな有名なニュールンベルク・トイフェアですが、実は毎年この場所でしか手に入らない特別なミニカーってのがございます。昨今ではインターネットも発達して、居ながらにして世界中の情報が手に入るご時世。なかには高いコストをかけてまでイベントに参加する意義を見出せないなどというドライな(無粋な?)メーカーも増えているようですが、かつてはこのイベントに参加を受理されること自体、一人前のメーカーとして認められた証みたいなところがありました。

毎年1月末、あるいは2月初旬に開催されている『ニュールンベルク・トイフェア』。
毎年1月末、あるいは2月初旬に開催されている『ニュールンベルク・トイフェア』。    長尾循

そして、イベントに参加した多くのミニカーメーカーは、それぞれがお得意さんやクライアントにプレゼントするイベント参加記念モデルを用意して、プロモーションに勤しんだのであります。

というわけで、だいぶ前置きが長くなりましたが、今回この項でご紹介するのは、普段はあまり日の目を見ることもない、ミニカーメーカーがイベント会場で関係者に配布した『ニュールンベルク・トイフェア出展記念限定ミニカー』です。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    長尾循

    Jun Nagao

    1962年生まれ。企画室ネコ時代を知る最後の世代としてモデル・カーズとカー・マガジンの編集に携わったのち定年退職。子供の頃からの夢「クルマと模型で遊んで暮らす人生」を目指し(既に実践中か?)今なおフリーランスとして仕事に追われる日々。1985年に買ったスーパーセブンにいまだに乗り続けている進歩のない人。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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