【まるで軍手で氷に触れているよう】横浜ゴム・アイスガードiG80が、まさかの大進化を遂げた!
公開 : 2025.09.01 06:00
果たして、その実態やいかに
アイスガード8を試乗したのは今春のこと。その時はまだ、テストデータが公式に発表されなかったのだが、試乗会では、横浜ゴムのスタッフが語る言葉の端々から自信が感じられたことが印象深い。
とはいえ、スタッドレスタイヤの登場から約40年。その間ひたすら進化を続けてきた、ある意味もっともホットなタイヤではあるが、先代となるアイスガード7の性能が良かっただけに、「大幅な進化なんてあるのだろうか?」という気分もあり、その自信がどこから出てくるのかを不思議に思いながら試乗に望んだのだった。

はたして、試乗してみると確かに良いのだ。印象としては「軍手を着けて氷の路面に手を置いている」ような感覚がある。水分が少なく氷の路面を直にとらえているような感覚。先代モデルと比べて性能の飛躍が感じられた。
アイスガード8の性能を端的に表していたのは氷上テストだった。屋内ブレーキテストコースでは、アイスガード7と比較して制動→加速を試すことができた。20km/hからの急制動は約2mの差があり、しかもググッとタイヤのコンパウンドが氷の路面と摩擦しているのを実感できる減速感がある。
「あ、クルマが止まってくれるな」という安心感があり、これはテストコースよりも一般道で強く実感するはずだ。
また、制動試乗で停止状態から再発進するときの加速が容易であった。単独で走るとアイスガード7も発進加速しやすいのだが、アイスガード8はさらに強くアクセルを踏み込むことができるし、タイヤが空転を始める直前あたりのアクセルコントロールの幅が広く、不思議なくらい楽に発進できてしまうのだ。
ステアリングフィールも大幅向上
氷盤旋回路でもその差は明らかだった。コンスタントに旋回タイムが良く、アイスガード7と比べると、旋回時の手応え、ハンドルの重さ、アクセル操作した時の加速感にひと回りしっかりしている感触がある。ピークグリップを超えてもグリップの落ち込みが少ないのだ。だから、タイム的にも落ち込みが少なく安定している。
もっと速く走ってやろうとペースを上げても、いきなりグリップ限界を超えて大きく外側に膨らんでしまうということがなく、ハンドル舵角が深くなってタイムは多少ロスするが、ほぼそのまま走れてしまうほど、懐が深いのだ。

雪上性能も良かった。雪上ハンドリング路では特にハンドルを切り出した時の手応えがしっかりしていて、タイヤが雪の路面にグリップしている様子がはっきりと伝わってくる。磨き込まれたコーナーでも、予想以上にハンドルが効き、案外あっさりとコーナーを走り抜けることができて驚く場面もあった。
もちろん万能ではないので、磨かれた路面では当然滑るのだが、そんな場面でも路面との摩擦感が抜けず、滑り成分が増えてくる様子がわかりやすい。
トレッドデザインとコンパウンドが変わって、全体にコンパウンド剛性、ブロック剛性は高くなっているということだが、それがインフォメーション性の良さとして反映されていて、ステアリングを通して手に伝わってくる。
アイスガード・シリーズが、DNAのように受け継ぎ、また磨いてきたインフォメーション性の良さとコントロール性の良さは、アイスガード8にもしっかり継承されていた。








































































































































































































