ボルボ、9月に『V90』生産終了 ステーションワゴン廃止へ SUV重視の方針変わらず?

公開 : 2025.09.01 06:45

ボルボは今年9月をもって大型ステーションワゴン『V90』の生産を終了することを明らかにしました。新型のES90やXC60に置き換え、ラインナップの合理化を図っています。CEO交代後も方針は変わらないようです。

後継はES90か

ボルボは、大型ステーションワゴン『V90』の生産を9月に終了すると、AUTOCARの取材で明らかにした。同社は声明で、生産終了は「グローバルサイクル計画に沿ったもの」と説明している。

リフトバックの新型EV『ES90』は来年初頭に英国で発売予定だが、ワゴンタイプの派生モデルが登場するかどうかはまだ不明だ。

ボルボV90の生産終了が告げられた。
ボルボV90の生産終了が告げられた。

ES90の発表会で「ステーションワゴンを完全に廃止するのか」と記者に問われた当時のジム・ローワン元CEOは、「はい。時代は変わりました」と答えた。

ローワン氏は、ES90の車高が比較的高いのは、SUVとの共通点だとした。さらにハッチバック式のトランクと40:20:40分割式リアシートにより、ステーションワゴンと同等の機能性を備えていると述べた。

同氏はまた、SUVのXC60のポジショニング(ラインナップにおける位置づけ)を調整することで、V90の役割を補完できると付け加えた。「例えば、V90を導入する代わりに、XC60を少し異なる形で位置づける方が良いのではないでしょうか? ブラック・エディションもあれば、クロスカントリー・エディションもあります。つまり、同じクルマをベースに、さまざまなエディションを用意するということです」

ローワン氏の後任として4月にCEOへ復帰したホーカン・サミュエルソン氏は、これまでの方針を転換する兆しをまだ示していない。

しかし、ボルボのステーションワゴンの人気は依然として根強い。英国では2023年、V60とV90がラインナップから外されたが、需要の高まりを受け2024年7月に再導入された。

ボルボ英国部門の担当者によれば、中型のV60の生産は当面継続され、「英国の顧客は引き続き注文可能」だという。

日本向けのV90の動向については、本稿執筆時点では確認できていない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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