ニューメキシコの静かな乾燥地帯で見つけたクラシックカー 20選 ジャンクヤード探訪記

公開 : 2025.08.31 18:25

米国の巨大ジャンクヤードを巡り、スクラップ同然のクルマにレンズを向ける探訪記シリーズ。今回はニューメキシコ州のラスベガス(有名な観光地ではない方)で見つけた50年代~80年代の旧車を紹介します。

有名ではない方のラスベガス

ネバダ州のラスベガスのような華やかさはないかもしれないが、ニューメキシコ州のラスベガスは訪れる価値のある町だ。

この場所は、『コンボイ』、『ノーカントリー』、『イージーライダー』など、数多くのハリウッド映画のロケ地として使われてきた。

ニューメキシコ州のジャンクヤードで見つけた、希少なクラシックカーを20台紹介する。
ニューメキシコ州のジャンクヤードで見つけた、希少なクラシックカーを20台紹介する。

1950~80年代の旧車もずらり

しかし、わたし達取材にとって真の見どころは、『ウリバリズ・オート・トーイング・サービス&リペア(Ulibarri’s Auto Towing Service & Repair)』というジャンクヤードだった。

乾いた丘の中腹に、数百台もの古いクルマやトラックが並んでいた。ニューメキシコ州ラスベガスにはカジノはないが、この場所を見つけたわたし達は、まさにジャックポットを当てたような気分だった。

『ウリバリズ・オート・トーイング・サービス&リペア』は、サンタフェやアルバカーキといった都市にほど近い場所にある。
『ウリバリズ・オート・トーイング・サービス&リペア』は、サンタフェやアルバカーキといった都市にほど近い場所にある。

フォード・カントリー・セダン(1956年)

この写真から、ウリバリズ・オート・トーイング・サービス&リペアの敷地の広さがわかると思う。わたし達が訪問したときは、この1956年製のフォード・カントリー・セダン・ワゴンのようなクラシックカーのほとんどが、丘の上部にまとめて置かれていた。大半は1950年代、1960年代、1970年代に製造されたものだった。遠くには、比較的新しい車両が見える。

フォード・カントリー・セダン(1956年)
フォード・カントリー・セダン(1956年)

シボレー・トラック(1957年)

他の多くの車両と同様、このステップサイドトラックも明らかに役目を終え、寿命を迎えつつあった。実際、保存する価値のある部品はほとんど残っていなかった。

シボレー・タスクフォース・シリーズ(1955~1959年)は、トラックとして初めて採用された曲面フロントガラスが特徴だった。この車両は1957年製で、同年は35万台以上が出荷された。

シボレー・トラック(1957年)
シボレー・トラック(1957年)

スチュードベーカー・チャンピオン(1950年)

この1950年製のスチュードベーカー・チャンピオン4ドア・セダンの修復は難しいらしく、再び走る可能性はほとんどない。

チャンピオンは1939年から1958年まで5世代にわたり製造され、最終的にラークに置き換えられた。最も好調だったのは1950年で、32万884台が販売された。

スチュードベーカー・チャンピオン(1950年)
スチュードベーカー・チャンピオン(1950年)

ナッシュ・アンバサダー

デトロイトのビッグ3から差別化を図るため、ナッシュの社長ジョージ・メイソンは、自社のモデルを個性的なものにしたいと考えた。そして、その目標を達成したのがエアフライト・アンバサダーであった。

風洞を使って設計され、「道路上で最も流線型のフォルム」と謳われた。1949年から1951年にかけて製造されたが、この個体の正確な製造年は不明だ。

ナッシュ・アンバサダー
ナッシュ・アンバサダー

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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