ロボット掃除機メーカー、EV分野へ進出 中国家電大手ドリーミーが「超高級車」発売へ

公開 : 2025.09.12 06:45

中国の家電メーカーであるドリーミー・テクノロジーが自動車部門を設立。ドイツのベルリン近郊に新工場を建設する可能性があります。ブガッティに対抗する「世界最速」のハイパーカーでEV市場への参入を目指します。

世界最速ハイパーカー? ドイツ生産も視野

中国の新興ブランド、ドリーミー・オート(Dreame Auto)が、テスラのベルリン・ギガファクトリー近郊で自動車工場の設立を検討していることが明らかになった。実現すれば、ドイツに生産活動を置く初の中国ブランドとなる。

ドリーミー・オートは、主に掃除機などで知られる大手家電メーカーのドリーミー・テクノロジーの新部門として自動車業界に参入する。資金調達にはフランスの大手銀行BNPパリバが関わっている。

ドリーミーはブガッティに対抗する電動ハイパーカーを開発するという。
ドリーミーはブガッティに対抗する電動ハイパーカーを開発するという。    ドリーミー

家電事業ではすでに世界100か国以上、6000以上の小売店で製品を販売し、グローバルな存在感を誇っている。

現時点で、ドリーミー・オートは約1000人の従業員を擁しており、家電事業の研究開発担当者や自動車分野に詳しい人材を集めたとされる。

ドリーミーは公式声明で、まず最初に「超高級EV」を発売し、ブガッティ・シロンなどのハイパーカーと競合するような世界最速のロードカーを目指して、2027年にデビューさせる計画だと述べた。

ドリーミーは2017年に設立された新興企業だ。中国のテック系企業としては、シャオミ、スカイワース、ファーウェイ、ロボロック、バイドゥなどが、すでにEV分野に参入している。

その中で、高性能の電動ハイパーカーを開発し、ブガッティ、フェラーリマクラーレンといった名門ブランドと競合するという目標を掲げる同社は、特に大胆なスタートを切ったと言える。

このハイパーカーは、自社の家電製品向けに独自開発した高速電動モーター技術を応用すると報じられている。

同社は20万rpm以上で回転する小型モーターの生産技術を有しており、創業者兼CEOのユー・ハオ氏は、この知見がハイパーカーレベルのモーターに求められる高出力に直接応用されると述べた。

「当社の夢は世界最速のクルマを作ることです」と、先週従業員に配布された社内文書には記されている。「偉大な夢は、恐れを知らない心から生まれます」

ドリーミーの技術的な強みはモーターだけにとどまらない。同社はロボット掃除機向けに開発した視覚認識システム、AIベースの経路計画、空間モデリングを商用化している。

2024年末時点で、ドリーミーは世界中に6300件以上の特許を出願している。その多くはEV分野で共通する技術力に関連するものだ。

家電事業から自動車事業への移行に備え、ドリーミーは既存の自動車メーカーから研究開発、生産技術、品質管理といった分野をカバーする数名の上級幹部を招聘した。

ハイパーカーの技術仕様やプラットフォームの詳細は未公開だが、ドリーミーは2つの開発アプローチを並行して進めていると述べた。サイクルの速い家電業界の文化と、自動車グレードのエンジニアリング基準を組み合わせる方針だ。

これは、ロボット掃除機の主要ライバルであるロボロックのアプローチと類似している。ロボロックは2023年、中国で自動車部門のロックス(Rox)を通じて初の量産EV『01』を発表した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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