ドリキン土屋圭市氏監修!ヒョンデ・アイオニック5N『DKエディション』降臨【スーパーカー超王が斬る】

公開 : 2025.10.23 11:45

ヒョンデ・アイオニック5Nに、『ドリフトキング(ドリキン=DK)』として知られる土屋圭市氏の監修による『DKエディション』が誕生しました。スーパーカー超王こと山崎元裕が、公道でその感触を確かめます。

ハイパフォーマンスブランド『N』

メルセデス・ベンツにはメルセデスAMGが、BMWにはMがあるように、ヒョンデにも『N』と呼ばれるハイパフォーマンスブランドがある。

Nとは、開発拠点が置かれている韓国のナムヤン(南陽)と、実際に走行テストに使用されるドイツのニュルブルクリンクを意味するもので、昨年BEVの『アイオニック5』をベースとした、『アイオニック5N』が上陸を果たしたことで、その存在が日本でも一気に広まることになったのは記憶に新しいところだろう。

ヒョンデ・アイオニック5Nの『DKエディション』。DKはドリフトキング(ドリキン)の略。
ヒョンデ・アイオニック5Nの『DKエディション』。DKはドリフトキング(ドリキン)の略。    山本佳吾

このアイオニック5Nに、『ドリフトキング(ドリキン=DK)』として知られる土屋圭市氏の監修による、ハイパフォーマンスパーツを装着した『DKエディション』が誕生することになった。

パッケージは、カーボンフロントスポイラー、カーボンリアディフューザー、カーボンサイドスカート、カーボンリアウイング、6ピストンモノブロックブレーキキャリパー、21インチの軽量鍛造ホイール、ローダウンスプリングで構成される。

もちろんこれらのパーツは、すべて確かな機能を持つものだ。エアロパーツはより大きなダウンフォースを生み出すとともに、その前後バランスを最適化。ブレーキもパット面積を54%拡大したほか、耐熱性や制動持続性が強化されているという。

ホイールは4輪の合計で10.6kgが軽量化され、車高が15mmローダウンするスプリングはコーナリング時にはさらなる安定感を生み出すことになる。

果たしてアイオニック5NのDKエディションは、どれほど魅力的なモデルに仕上がっているのだろうか。

一瞬で理解させる『分かりやすさ』

『DKエディション』の走りへの期待は、そのコクピットに乗り込む前からすでに始まっていた。

アイオニック5Nは、そもそもエッジの効いたスポーティーでインパクトのあるボディデザインを特徴とするモデルだったが、DKエディションの姿はさらにスパルタンで、それがただのハッチバックではないことを誰の目にも一瞬で理解させる、簡単に表現するのならば『分かりやすさ』を持っている。

車高は15mm低下し、バネ下重量もホイールだけで10kg以上軽くなっている。
車高は15mm低下し、バネ下重量もホイールだけで10kg以上軽くなっている。    山本佳吾

今回は残念ながらサーキットでのドライブというわけにはいかなかったので、そのエアロダイナミクスがさらにどれほどの高みへと導かれているのかは確認できなかったが、以前ノーマルのアイオニック5Nで体験した超高速域での安定性を考えれば、おそらくそれは感動的ともいえるレベルに達しているのだろうと想像するのは容易だ。

前でも触れているとおり、専用のスプリングで車高が15mm低下し、いわゆるバネ下重量もホイールだけで10kg以上軽くなったDKエディションの動きは、確かにより軽快な印象を感じるものになった。

さらに驚かされたのは、こちらもノーマルでもすでに十分に満足できるフィーリングにあると感じていたブレーキが、よりリニアな反応を見せるようになっていたこと。ゴーストップが連続する市街地でもそのタッチに違和感はないし、特に高速域からのブレーキングには絶対的な安心感が持てる。参考までにアイオニック5Nが可能とする最高速は260km/h。その性能を確実に視野に入れたブレーキの装備は嬉しい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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