お手頃価格へシフトを牽引 シトロエン e-C3 エアクロス(1) 航続302km どんなハード?

公開 : 2025.11.26 18:05

コスパに秀でた電動クロスオーバー、e-C3 エアクロス シンプルでメリハリある見た目 広々車内に使い慣れた操作系 意外なほど力強い発進加速 現実的な航続は290km弱 UK編集部が試乗

コスパに秀でた電動クロスオーバー

最近のシトロエンは、よりお手頃な価格帯へシフトしている。この流れを牽引するのが、新しいC3。380mm長いクロスオーバー、C3 エアクロスも同様だ。先日はハイブリッド版をご紹介したが、今回はバッテリーEVのe-C3 エアクロスへ試乗してみたい。

低価格化へ貢献するのが、ステランティス・グループの新しいスマートカー・プラットフォーム。フィアット・グランデ・パンダなども採用するが、それより英国では1000ポンド(約21万円)ほどお手頃にある。

シトロエンe-C3 エアクロス・マックス・スタンダードレンジ(英国仕様)
シトロエンe-C3 エアクロス・マックス・スタンダードレンジ(英国仕様)

航続距離302kmが主張される、43.7kWhの駆動用バッテリーを積むe-C3 エアクロス・スタンダードレンジで、英国価格は2万1600ポンド(約440万円)。このお値段で、同等の実用性を叶えた電動モデルは他にないといっていい。

エクステンデッドレンジは54kWhへ増量し、航続距離は397kmへ伸びる。こちらは、2000ポンド(約41万円)の増額で選べる。

シンプルでメリハリあるフォルム

スタイリングは、新しいC3と基本的に同じ。シトロエンのデザイン部門を取り仕切るピエール・ルクレール氏が「クリーンシート」と表現する、シンプルでメリハリあるフォルムが特徴だろう。

近年のモデルとしてはホイールが小さめで、高級感があるとはいえないものの、個性は充分。スリムなヘッドライトが作るフロントマスクや、彫刻的なボディサイドなど、表現的な工夫が凝らされている。

シトロエンe-C3 エアクロス・マックス・スタンダードレンジ(英国仕様)
シトロエンe-C3 エアクロス・マックス・スタンダードレンジ(英国仕様)

ホイールアーチの樹脂製モールや、太いルーフレールが、アウトドアとの親和性を主張する。ドアに、プクッと膨らんだエアバンプが欲しいと思うのは、筆者だけだろうか。

当たり前の操作系がうれしいインテリア

インテリアも、基本的にC3と共通。全体的に明るい雰囲気で、硬いプラスティックが露出した部分も多いが、ファブリックが効果的で好印象だ。上下2段に分かれ、小物を置けるダッシュボードには、10.25インチのタッチモニターが突き出ている。

モニターの解像度は粗めだが、アイコンの表示は大きく、メニュー構造は理解しやすい。ヘッドライトのオン/オフと関係なく、モニターの照度を変えられれば一層良い。

シトロエンe-C3 エアクロス・マックス・スタンダードレンジ(英国仕様)
シトロエンe-C3 エアクロス・マックス・スタンダードレンジ(英国仕様)

エアコンやクルーズコントロール、オーディオなど主な機能は、ステアリングホイール上のハードボタンで操作可能。運転支援システムをオフにするボタンもあり、ライトとワイパーは従来通りコラムのレバーで操作できる。当たり前がうれしい。

シフトセレクターの周辺には、グロスブラックの樹脂パネルが広がる。少々安っぽく見えるものの、価格を考えれば見逃せるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 執筆

    アレックス・ウルステンホルム

    Alex Wolstenholme

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

シトロエン e-C3 エアクロスの前後関係

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