ル・マンで3年連続クラス優勝 ジョウェット・ジュピター(2) 友人共作のクラシック・レーサー

公開 : 2025.12.28 17:50

1960年代には一層の存在感を示せた

知るほど魅力的に思えるジュピターだが、生産数は4年間で901台にすぎない。走れる状態で残存するのは、400台ほどと考えられている。ジョウェット社は、トランスミッションの自社開発へ失敗し、1955年に倒産してしまった。

仮に経営を維持できていれば、ブリティッシュ・スポーツの黄金期といえた1960年代に、一層の存在感を示せたに違いない。北米への輸出が叶えば、成功していたのではないだろうか。MGやトライアンフのように。

ジョウェット・ジュピター・クーペ(1952年式/英国仕様)
ジョウェット・ジュピター・クーペ(1952年式/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

保守的だった1950年代の英国の自動車産業にあって、一瞬だが強い光を放ったジュピター。信頼性は低くなく、モータースポーツでの競争力は高かった。今でも、少なくない人を惹きつける引力を宿している。

協力:ノエル・ストコー氏、ジュピター・オーナーズ・オート・クラブ

ジョウェット・ジュピター(1950〜1954年/英国仕様)

英国価格:895ポンド(1951年時)/4万ポンド(約816万円)以下(現在)
生産数:901台
全長:4140mm
全幅:1575mm
全高:1422mm
最高速度:138km/h
0-97km/h加速:18.0秒
燃費:8.9km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:813kg
パワートレイン:水平対向4気筒1485cc 自然吸気 OHV
使用燃料:ガソリン
最高出力:60ps/4500rpm
最大トルク:11.5kg-m/3000rpm
ギアボックス:4速マニュアル/後輪駆動

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・カルダーウッド

    Charlie Calderwood

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ジョウェット・ジュピターの前後関係

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