EV市場変化 欧州「軽自動車」規格 カーライフを変えたステーションワゴン【翻訳担当が振り返る2025年】
公開 : 2025.12.30 12:05
EV市場の変化、欧州の「軽自動車」規格、筆者のカーライフに大きな影響を与えたステーションワゴン特集……。2025年で最も印象に残ったクルマの記事を、翻訳担当林汰久也が振り返ります。
新鮮な驚きと波乱に満ちた1年間
自分の仕事の話ばかりする人は、家庭でも職場でも、飲み会の場でも白い目で見られがちだ。筆者は普段、「聴く」姿勢を大事にしたいと考えているが、本稿ではこの1年間を振り返りながら、自分の話をさせていただく。どうかお付き合い願いたい。
翻訳者として、本家AUTOCAR UK(英国編集部)の記事を日本に紹介するのが筆者のメインの仕事だ。2025年は約750本の記事を担当させていただいた。加えて、年前半はAUTOCAR JAPANの新人編集部員の書かれた記事を校正・編集するという仕事も任せていただいた。いろいろな経験を通して、自分自身もわずかながら成長できた実感がある。

振り返ってみれば、2025年もさまざまなニュースがあった。ホンダと日産の「破談」に始まり、トランプ関税など業界を揺るがすショッキングな話題も少なくなかった。一方で、スズキ・ジムニー・ノマド、日産エルグランド、トヨタ・ランドクルーザーFJなど、待ちに待った新型車の登場も多かった。
10月に東京で開催されたジャパンモビリティショー2025では、トヨタがセンチュリーをブランドとして独立させると発表し、レクサスからは6輪ミニバンを提案した。ホンダをはじめ複数のメーカーが軽EVを披露したが、中国BYDも軽自動車を投入してきた。新鮮な驚きに満ちた1年だったと言える。
また個人的には、新しい愛車をお迎えするというささやかなニュースもあった。
この特集では年末企画ということで、筆者が2025年に担当した記事の中から特に印象に残った記事を3本ピックアップする。なお、翻訳という仕事の都合上、いずれも国内ニュースではなく海外の話題である。
トヨタ車が首位奪還 EVを取り巻く世界の変化
【2024年 世界販売台数ランキング トップ10 最も売れたクルマは「日本車」】
掲載日:2025年8月23日
この数年で見られた大きな変化として、EV市場の成長と停滞は外せない。例えば、去る2023年に世界で最も多く売れたクルマはテスラのEV『モデルY』だった。イーロン・マスク氏率いるテスラの快進撃が脚光を浴びたが、その後EV需要は伸び悩みを見せ、多くのメーカーが苦戦を強いられるようになった。

そして2024年、トヨタ『RAV4』が世界ナンバーワンの座に返り咲いた。RAV4は、前年比11%増の118万7000台という素晴らしい販売台数を記録。中国でも『ワイルドランダー』という名で販売され、人気を集めている。EVへの乗り換えに慎重な人々の目には、トヨタの実績あるハイブリッド・パワートレインが魅力的に映ったのだろう。
RAV4は2025年5月にフルモデルチェンジを果たし、6代目へと生まれ変わった。今後の売れ行きにどう影響するのか、引き続き見守っていきたい。
全体的に見れば、PHEVを含むEVの販売台数は増加を続けているが、かつて予想されていたほどの急激な成長は見られない。そうした状況の中、EVへのシフトに積極的だった欧州が態度を軟化させ、「これからもしばらく内燃機関車を売ります」と言い始めている。
筆者は今年、【〇〇社(メーカー名)がEV戦略見直しへ】などと題する記事を何本も翻訳させていただいた。EV一辺倒からマルチパワートレインへと、多くのメーカーが方針を転換した。それでも彼らは口を揃えて「未来はEVだ」と言う。
こうした欧州の立ち回り方は、ずるいとも言えるし、柔軟とも言える。したたか、と表現することもできるだろう。日本に住んでいる身としては、国内メーカーには彼らに振り回されすぎないよう、したたかに付き合っていってほしいと願っている。

















































































