アルファ・ロメオ、フィアット、ランチア、サーブで共有 ティーポ4プロジェクトのサルーンたち(1) 4台の個性に迫る

公開 : 2026.02.01 17:45

テーマと並行して生産されたクロマ

錆びやすかったガンマのイメージを払拭するべく、ランチアは車重で43%の部品が亜鉛メッキ鋼板なことを主張。33Lぶんの防錆ワックスが、パネルの空洞を埋めていた。

187psを誇る4気筒ターボ版の英国価格は1万5840ポンドで、充分な競争力も備わった。反応を見極めるべく、英国のディーラーは1985年に500台を輸入している。

フィアット・クロマ CHT(1985〜1996年/英国仕様)
フィアット・クロマ CHT(1985〜1996年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

ランチアを傘下としたフィアットも、ティーポ4を逃さなかった。1985年5月にクロマを発売し、1981年に終売となった132以来となる、大型サルーン市場復帰を果たす。

クロマはイタリア北部、トリノのミラフィオーリ工場でテーマと並行して量産されたが、1台当たりのラインオフ時間は半分。1日400台の生産が可能だった。エンジンはテーマと共有する2.0Lターボで、扱いやすさ重視のチューニングにあった。

経営不振にあえいでいたアルファ・ロメオ

フロアパンだけでなくボディパネルの多くを共有し、テーマとクロマの違いは小さい。前がマクファーソンストラット、後ろがトレーリングアームのサスペンションも同じ構成にある。だが実際に2台を並べると、想像以上に印象が異なり面白い。

同時期にはイタリア・ミラノの雄、アルファ・ロメオも経営不振にあえいでいた。毎日のように損失が膨れる同社を、フィアットが買収したのは1986年。ティーポ4の独自モデル開発は以前から進んでいたが、翌1987年9月に164がリリースされる。

アルファ・ロメオ164 クアドリフォリオ(1987〜1998年/英国仕様)
アルファ・ロメオ164 クアドリフォリオ(1987〜1998年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

1979年から提供されたアルファ6(セイ)は、英国で136台しか売れないなど、成功とはいえなかった。大きな期待が寄せられていたことは間違いない。

この続きは、ティーポ4プロジェクトのサルーンたち(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アーロン・マッケイ

    Aaron McKay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ティーポ4プロジェクトのサルーンたちの前後関係

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