RX-7用12Aロータリーへ大胆換装 マツダR100(2) 見た目裏切る活発さ 小柄ボディが残した功績

公開 : 2026.02.07 17:50

2速や3速でシームレスに湧くパワー

セオドアのR100は新車時の2倍、200psの最高出力を得ているから、走りは極めて活発。やる気のなさそうな見た目を裏切るように、積極的に加速してみせる。

アイドリング時は、脈打つようなサウンドが、2ローター・エンジンであることを静かに主張する。回転上昇とともに、タービンの悲鳴のような高音へ変化する。クラッチペダルは軽く、滑らかに繋がり、ステアリングも速度が増すほど正確性が高まる。

マツダR100(ファミリア・ロータリークーペ/1968〜1973年/英国仕様)
マツダR100(ファミリア・ロータリークーペ/1968〜1973年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

チューニングによって、柔らかい減衰特性とリアアクスルの横揺れは解消済み。高速域でのコーナリングへ、フラットに耐える。旋回性もニュートラルだ。

小柄なボディが、敏捷な身のこなしを一層引き立てる。ブレーキはバランスに優れ、確実に速度を落としてくれる。変速も軽妙で気持ち良い。ギア比が高く、2速や3速で引っ張ると、パワーがシームレスに湧いてくる。低域での粘り強さにも驚かされる。

RX-7の礎として多大な功績を残したR100

すっかり珍しい存在になったR100だが、当時はそこまで珍しいマツダではなかった。1973年までに9万5800台がラインオフし、1971年と1972年には、北米市場への輸出を牽引する1台になってきた。

ただし、英国では殆ど売れなかった。1649ポンドという価格は、3.0Lエンジンのフォードや、イタリアのアルファ・ロメオに並んだ。ディーラー数も30店ほどで、奇抜なクーペへ手を伸ばす英国人は限られた。現存例も、3・4台と考えられている。

マツダR100(ファミリア・ロータリークーペ/1968〜1973年/英国仕様)
マツダR100(ファミリア・ロータリークーペ/1968〜1973年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

それでも、RX-7の礎として、多大な功績を残したことは事実。コスモスポーツと同時期を生きた神秘的なマツダを、忘れてしまうのは余りに惜しい。

協力:シルバーファーン・パフォーマンス社

マツダR100(ファミリア・ロータリークーペ/1968〜1973年/英国仕様)のスペック

英国価格:1650ポンド(新車時)/5万ポンド(約1040万円)以下(現在)
生産数:9万5800台
全長:3854mm
全幅:1480mm
全高:1346mm
最高速度:173km/h
0-97km/h加速:10.9秒
燃費:6.4-7.4km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:803kg
パワートレイン:ツインローター982cc 自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:100ps/7000rpm
最大トルク:13.5kg-m/3500rpm
ギアボックス:4速マニュアル/後輪駆動

マツダR100(ファミリア・ロータリークーペ/1968〜1973年/英国仕様)
マツダR100(ファミリア・ロータリークーペ/1968〜1973年/英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーティン・バックリー

    Martin Buckley

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

マツダR100の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事