ボルボ新型『XC70』 全長4.8m、電気だけで200km走るハイブリッドSUVへ 急速充電にも対応

公開 : 2025.08.28 19:45

ボルボは新型『XC70』を中国で発表しました。電気のみの航続距離が長い「ロングレンジ」PHEVとして、電動化の促進を図ります。車内には大型タッチスクリーンを搭載。将来的には欧州市場への導入も計画されています。

電動化への橋渡し 欧州導入も

ボルボは、新型SUV『XC70』を中国で発表した。電気だけで約200km走行可能な「ロングレンジ」PHEVとされている。

大型のXC90の下位に位置づけられ、デザインもその影響を受けている。まずは中国で発売されるが、ボルボは「後日」欧州への導入も計画していることを明らかにした。

ボルボXC70
ボルボXC70    ボルボ

XC70という名称は、2016年までV70のオフロードバージョンに使用されてきた。当初はV70 XCと呼ばれ、『XC』は「クロスカントリー」を意味していた。

新型XC70は、内燃機関車からEVへの乗り換えをためらう顧客向けに、長い電気走行距離を確保したPHEVとして販売され、ボルボの電動化を支援する狙いだ。

ボルボのホーカン・サミュエルソンCEOは、この新型車が「電動化製品ポートフォリオの礎となる」と述べた。

XC70の仕様詳細は明らかにされていないが、ロングレンジPHEV用に改良されたスケーラブル・モジュラー・アーキテクチャ(SMA)を採用している。

中国のCLTCテストサイクルでは200kmの電気走行が可能であり、ガソリンと電気の混合走行では1200km以上を走行できるという。

バッテリーは急速充電に対応し、わずか23分で0%から80%まで充電できる。PHEVとしては珍しい双方向充電機能も備えている。

ボルボから中国政府へ提出された申請書類によれば、最高出力160psの1.5Lガソリンエンジン、電気モーター、21.2kWhまたは39.64kWhのバッテリーを搭載するようだ。

ボディサイズは全長4815mm、全幅1890mmと、BMW X5とほぼ同等である。

新たに公開された公式画像から、ボルボ最新のデザイン言語を採用していることがわかる。伝統的なデザイン要素をミニマルに解釈したものだ。

ボルボのEVモデルに共通するクローズドグリルや、可動式グリルシャッターにより、空力性能と冷却性能の最適化を図っている。

インテリアでは、12インチのデジタルインストゥルメント・ディスプレイと15.4インチのタッチスクリーンを搭載。さらに91インチの拡張現実(AR)ヘッドアップディスプレイもオプションで選択可能だ。

中国向けのXC70の生産は現地で行われ、すでに予約受付中である。欧州など他の市場への導入時期については現時点で確認されていない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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