ダイハツ初の量産EVは軽商用で登場! 見た目はエンジン車と同じでも中身は別物 後発なのにライバルより価格が高い理由とは?

公開 : 2026.02.04 07:05

見た目はエンジン車と変わらないが下まわりは別もの

実は、ダイハツは既に先代ハイゼット・カーゴからEV化を検討しており、現行型でも基本の考えは出来上がっていた。そのためトヨタスズキとの3社共同開発でも、レイアウトなどの再検討はダイハツが行った。

見た目はエンジン車と大きく変わらないが、車両重量増に対応させるため、タイヤ、ホイール、ブレーキをはじめ、足まわりも全部進化させている。

モータースポーツサポート車両の提案。様々な用途が考えられるだろう。
モータースポーツサポート車両の提案。様々な用途が考えられるだろう。    平井大介

サスペンションではバネ定数や減衰力を上げているが、車両重量が重くなったぶん収まりが良く、むしろ乗り心地は良くなっているという。商用車によくある、空荷状態で走行したときの突き上げ感などもないそうだ。

リアサスペンション形式はエンジン車と同じ3リンクだが、ド・デオンアームの採用でバネ下を軽くし、乗り心地向上に寄与しているという。サイドメンバーとロッカーの配置は生産上の問題でエンジン車と同じとなるものの、両者をブラケットで繋いでバッテリーを搭載しているので、下まわりの剛性はかなり高められた。重心高も80mm下げられて同じダイハツのムーヴ並みになった。

なお、ワンペダルではないが、アクセルペダルを戻せば回生ブレーキが作動する。ただし回生の切り替えは備わっておらず、ATセレクターはP-R-N-Dのみ。軽商用EVでは街中走行が中心となるので、この設定で問題ないとしている。

「一丁目一番地」に配したAC100V外部給電

もうひとつ齋藤氏が強調していたのは、1500Wまで対応するAC100V外部給電の使いやすさだ。

他社のEVではラゲッジルームや車外に設置されているが、ダイハツはダッシュボード中央という「一丁目一番地」に配した。これはパソコンなど室内の作業で必要なものを充電するため。また、1500Wに対応することで、例えば、万が一の災害時に避難所で電子レンジを使って暖かい食べ物の供給もできるという。

センターコンソールに1500Wまで対応するAC100V電源を設置。
センターコンソールに1500Wまで対応するAC100V電源を設置。    ダイハツ工業

『ドライバーが安全に帰れる』、『人を救える』といった、『ものづくり』から『ことづくり』にも対応するダイハツの軽商用EV。そんなクルマに仕上がったと語る、齋藤氏の顔は誇らしげだった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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