【認証不正問題からの再スタート】現行車11台一気取材!ダイハツの「いま」と「これから」を探る(後編)

公開 : 2025.03.13 11:05

ダイハツがメディアに向けてラインナップ取材会を行いました。認証不正問題などの対応がひと段落ついたところで、久しぶりに取材する機会を得た形です。ダイハツの現況と今後について、篠原政明が探ります。その後編として、商用車編です。

ラストワンマイルや日常の足として活躍する軽商用車

ダイハツ自動車工業(以下、ダイハツ)がメディアに向けて『ダイハツ車ラインナップ取材会』を行った。認証不正問題などの対応がひと段落ついたところで、久しぶりにダイハツ車に触れ、開発スタッフなどの声を聞く機会を得たので、ダイハツの現況について振り返っておきたい。今回はその後編として、商用車編をお届けする。

軽商用車の市場についても振り返っておきたい。2023年の商用車市場は約78万台で、その52%(約40万台)が軽商用車だ。タイプ別ではキャブバン(51%)とトラック(39%)が中心となる。また軽商用車のシェアではダイハツは41%(約17万台)を占め、そのうちの8%が特装車だという。

ダイハツ車ラインナップ取材に登場し3台の商用車。
ダイハツ車ラインナップ取材に登場し3台の商用車。    山本佳吾

軽商用車のユーザー層は、まずキャブバンでは建設・インフラ(39%)と卸小売り(35%)が大半を占める。その用途は、資材や工具の運搬、仕入れ・納品、そして営業といったところだ。いわゆるラストワンマイルの小売りや運輸で活躍しているクルマが多い。

トラックでは、農林水産業が半数近く(47%)で、その用途は農作業と日常の足。まさに前述のように公共交通機関に代わる大切な移動手段となっているのだ。

そんなダイハツの軽商用車では、ユーザーや現場のニーズに細やかに対応すべく、ダンプ/リフト車/保冷・冷凍車/配送車といった特装車を全14シリーズ、計18バリエーションと豊富にラインナップしている。

福祉車両にも触れておこう。2023年の福祉車両の市場は約3万台で、その44%(約1万3000台)が軽福祉車両だ。タイプ別では、車いす移動車が83%を占める。またダイハツのシェアは46%(約6000台)で、タントが81%を占めるという。

今回、取材できた軽商用車についても、その印象を紹介しておこう。

ハイゼット・カーゴ

軽商用バンだが、レジャーユースも意識しており、平日は仕事の足として、休日は趣味グルマとして使う人も多い。ノンターボでも市街地の走りっぷりは悪くない。より乗用車テイストにふって(先代は乗用車だった)装備を充実させたアトレーもあり、こちらにはダブルピックアップ風のデッキバンも設定され、遊び心を高めている。

ハイゼット・カーゴの荷室。使い方は無限大であろう。
ハイゼット・カーゴの荷室。使い方は無限大であろう。    山本佳吾

タント・スローパー

簡単にスロープを出し入れでき、モーターで車いすを乗降できる福祉車両。車いすを使用しないときは普通のタントと同様に使える。グリップやステップも工夫されており、こうしたパーツは超高齢化社会に向かっている日本においては、普通のクルマでも必要になっていくに違いない。

タント・スローパーは、荷台に車いすを収納することが可能。
タント・スローパーは、荷台に車いすを収納することが可能。    山本佳吾

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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