【新章突入!連載:清水草一の自動車ラスト・ロマン】#27 不人気車はロマンだ!

公開 : 2026.02.06 12:05

それは未体験ゾーン!

当時、トヨタソアラやR30型日産スカイライン・ターボRSなど、国産スポーツクーペのことで頭が一杯だった私は、まったく何も期待せずにサンタナで高速道路を走り、驚愕した。

「なんだこの直進安定性は!」

筆者自ら買い替えた、当時登場したばかりのサンタナXi5アウトバーンDOHC(5速MT)。
筆者自ら買い替えた、当時登場したばかりのサンタナXi5アウトバーンDOHC(5速MT)。    清水草一

それは未知との遭遇。未体験ゾーンだった。

当時、『未体験ゾーン』と言えば、初代ソアラのキャッチコピーで、父はそのソアラも持っていたが、私にとってはソアラよりサンタナが未体験ゾーン!

いや、ソアラも未体験ゾーンでしたけど、サンタナの直進安定性は、ソアラの2.8リッターツインカム6(170馬力)を上回る未体験ゾーン!「これがアウトバーンの走りなのか!」と、激しいカルチャーショックを受けたのである。

乗れば乗るほど、私はサンタナに魅了された。この路面を掴んで離さない足まわり、そして直列5気筒エンジンの独特な回転フィール。いくら走ってもまるで疲れない! どこまでも連れてってくれる!

唯一3速ATが残念だったので、約3年後、登場したばかりのXi5アウトバーンDOHC(5速MT)に、自ら買い替えたのである。ボディカラーは赤! 別にフェラーリを意識したわけではなく(まだフェラーリは視界のはるかかなた)、自分のサンタナへの熱い愛を表現するためだった。

遠藤氏のサンタナはさすがに赤ではなくガンメタだが、我が最初のサンタナもガンメタだった。ガンメタのサンタナが生きているというだけで、心が沸き立ってくる。

これぞロマン! 自動車ラストロマンだ!

私は担当ヒライ君に言った。

「遠藤さん、紹介してくれない?」

まるでお付き合いを打診するみたいやんけ! カーッ! 赤面。

(つづく/隔週金曜日掲載、次回は2月20日金曜日公開予定です)

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    清水草一

    Souichi Shimizu

    1962年生まれ。慶応義塾大学卒業後、集英社で編集者して活躍した後、フリーランスのモータージャーナリストに。フェラーリの魅力を広めるべく『大乗フェラーリ教開祖』としても活動し、中古フェラーリを10台以上乗り継いでいる。多くの輸入中古車も乗り継ぎ、現在はプジョー508を所有する。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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