スウェーデンEVブランド『ポールスター』、ハイブリッド投入否定 完全EV化に勝機見出す 「衰退産業には属さない」CEO主張

公開 : 2026.02.21 07:05

競合他社がEV計画を見直す中、ポールスターのミヒャエル・ローシェラーCEOはEVに専念し、ハイブリッド車の投入計画はないと明言しました。「完全電動化が脱炭素化の最善策」との見方を示しています。

EV計画は見直さず

スウェーデンのEVブランドであるポールスターは、今後、内燃機関モデルをラインナップに加えることはないとの姿勢を明らかにした。ブランドの最高経営責任者(CEO)は「衰退産業には属さない」と主張している。

ポールスターは現在、中国自動車大手の吉利グループ傘下にある。ボルボから独立した際には限定生産のプラグインハイブリッド車『ポールスター1』を販売していたものの、その後はEVのみを生産している。

ブランド唯一のPHEVとなったポールスター1
ブランド唯一のPHEVとなったポールスター1

EV普及のペースが鈍化し、米国でもEV優遇措置が廃止される中、多くのメーカーは電動化計画を縮小し、ハイブリッド技術への再投資を進めている。ポールスターは急成長しているものの、依然として巨額の損失を計上し続けている。

吉利グループの一員であることから、プラグインハイブリッドやレンジエクステンダーといったパワートレイン技術を利用することはできる。しかし、ポールスターを率いるミヒャエル・ローシェラーCEOは、販売拡大のために内燃機関車モデルを導入するという考えを明確に否定した。代わりに新型車を多数投入し、EV市場におけるカバー率拡大に注力する方針だ。

AUTOCARを含む一部メディアに対し、ローシェラーCEOは「わたし達は科学を信じています。気候変動は現実に起きていることであり、だからこそわたし達は力を入れていくのです」と述べた。

ローシェラーCEOは、ポールスターの若い顧客層(購入者の平均年齢は45歳で業界標準を大幅に下回る)が気候変動を「信じている」と指摘し、次のように付け加えた。

「もし、ここで『ポールスター車に内燃機関を搭載します』と言ったら、彼らは『そんなことをしてはいけない』と言うでしょう。ですから、そのような選択肢については考えません」

「わたし達は正しいことを行っています。その確信は揺るぎません。それは科学的な裏付けに基づいたものです。人々がポールスターを選ぶ主な理由の1つは、ポールスターがユニークな企業だからです」

電動化こそが最善策

ローシェラーCEOによると、EVに専念することがポールスターにとっての「好機」になるという。

「会議で『ハイブリッド車を作るか?』と聞かれることがありますが、答えは『ノー』です。これは素晴らしいことではないでしょうか? ポールスターは排出ガスを一切出さないのです」

ポールスター3
ポールスター3

「ポールスターは、投資とリソースを要する非常にエキサイティングな製品ポートフォリオに取り組んでいます。そこにハイブリッドを追加すれば、規模がどんどん大きくなるだけです。世界はシンプルにする必要があります」

「単純に、未来のモビリティは排出ガスゼロでなければなりません。そして電動化がその最善策です。それがわたし達の信念であり、この方針を貫く理由です」

「既存メーカーには経営上の制約がありますが、ポールスターにはありません」

「5年前、誰もが『(電動化は)実現される』と言っていました。今や皆『実現されない』と言っています。双方とも間違っています。変革は確実に起こります。お客様は古い技術を選びません。未来の技術を選ぶのです。今、一部の人々がそれを止めようとしたり、妥協しようとしたり、延期しようとしたりするのは当然の反応ですが、それはうまくいかないでしょう」

「わたし達にとっては『ポールスターは加速する。ポールスターは違う』と言える絶好の機会です。ノーマルな存在にはなりたくありません。それが、ポールスターによって最高の差別化です」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事