【新章突入第2回!連載:清水草一の自動車ラスト・ロマン】#28 カーマニアの選民思想!

公開 : 2026.02.20 12:05

5代目はまるで空気だ!

もう1台の遠藤氏の愛車、真っ赤なサニーカリフォルニア(5代目)の第一印象は、「旧車なのにウルトラ地味!」というものだった。

当時、割と先進的でオシャレな国産車だったので、今でもダサさや古臭さがあまりなく、その分、まったく目立たない。ここまで地味でいいのか! というくらい地味だ。

遠藤イヅル氏が当サイトで連載中の5代目日産サニーカリフォルニア。
遠藤イヅル氏が当サイトで連載中の5代目日産サニーカリフォルニア。    山本佳吾

これが、もうひとつ前の4代目サニーなら、「うわ、シブッ!」となるし、もうひとつ後の6代目以降だと「げっ、ダサッ!(そこがいい可能性アリ)」となりそうだが、5代目はまるで空気だ。

遠藤氏「最後のFRサニー、B310型(4代目)はすごい人気なので、今、下手すると300万円くらいするんですよ」

オレ「そうなんですか!」

遠藤氏「でもB11型(5代目)は不人気なので、これ、80万円でした」

マセラティクアトロポルテも、似たような状況だ。大貴族号のひとつ前、ガンディーニデザインの4代目は、平均中古価格470万円だが、5代目は235万円。つまりちょうど半額だ。

我が5代目前期型ともなると、100万円台上等、99万円という個体もあった。あまりにも似た者同士で涙が出る。

オレ「でも、人気車なんか欲しくないですよね」

遠藤氏「そうなんですよ。逆に不人気車というだけで、少し心が動きます」

私は思う。人気車なんか買ったら負けだと。それが、「シロートさんにはわかるまい」という、カーマニアならではの選民思想なのである。

(つづく/隔週金曜日掲載、次回は3月6日金曜日公開予定です)

記事に関わった人々

  • 執筆

    清水草一

    Souichi Shimizu

    1962年生まれ。慶応義塾大学卒業後、集英社で編集者して活躍した後、フリーランスのモータージャーナリストに。フェラーリの魅力を広めるべく『大乗フェラーリ教開祖』としても活動し、中古フェラーリを10台以上乗り継いでいる。多くの輸入中古車も乗り継ぎ、現在はプジョー508を所有する。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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