『R8』後継車誕生の予感? 『アウディRS eトロンGTパフォーマンス』に見る圧倒的速さとシャシーの大幅進化【スーパーカー超王が斬る】

公開 : 2026.03.04 11:45

マイチェンの進化はシャシー側に多くのトピック

ハンドリングにも極めて高い正確性が感じられる。

その俊敏なターンインは、こちらもオプションではあるがオールホイールステアリング(後輪操舵)のシステムによる効果も大きく、またコーナーからの立ち上がりでは駆動方式が4WDであるがゆえの、そして最新のトルクベクタリングなどの制御によるトラクション性能の高さが、大きな魅力となって伝わってくる。

eトロンGTのマイチェンによる進化は、パワーユニットよりもシャシー側に多くのトピックがある。
eトロンGTのマイチェンによる進化は、パワーユニットよりもシャシー側に多くのトピックがある。    山崎元裕

今回のeトロンGTのマイナーチェンジによる進化は、パワーユニットよりもむしろシャシーの側に多くのトピックがあるように思えた。

システムトータルで最高出力で748psを発揮するパワーユニットだが、実はこのモデルには隠しモードが存在していることを紹介しておこう。それは最大の加速性能を実現するための『ローンチコントロールシステム』を起動した時に、その数字が925ps(680kW)にまで高められるということ。

結果0→100km/h加速は2.5秒を達成するというのだから、その運動性能は間違いなくスーパースポーツ並みのレベルにあるといえるのだ。またこちらは最大で10秒間、94ps(70kW)のパワーブーストが可能なステアリングホイール上の『プッシュトゥパス』ボタンも、追い越し時などには大いに役立ちそうだ。

R8後継車をBEVでという可能性

RS eトロンは、4ドアクーペとしても十分な基本性能を持つモデルだ。105kWh分のバッテリーをフロア後方部を避けて搭載したことで、リアシートまわりでも足元に比較的余裕を感じる姿勢で移動を楽しむことができる。

また、トランクルームはフロントに77L、リアに350L(テクノロジーパッケージをオプション選択した試乗車の場合)が確保されている。BEVとして最も重要な性能ともいえる満充電からの走行可能距離は、WLTCモードで631kmという数字だ。

ランボルギーニでCTOとして活躍してきたルーヴェン・モール氏がアウディのCTOに就任。
ランボルギーニでCTOとして活躍してきたルーヴェン・モール氏がアウディのCTOに就任。    アウディ

ここまで魅力的なBEVを見せつけられると、やはりこの先に期待したくなるのは、かつての『R8』の後継車をBEVでというプランだろう。

先日アウディは、これまでランボルギーニでCTO(チーフ・テクニカル・オフィサー)として活躍してきたルーヴェン・モール氏が、3月1日付でアウディのCTOに就任することを発表。これをアウディからの新型スーパーカー誕生の、ひとつの布石と見るのかどうかは非常に興味深いところだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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