ダイハツ新型軽商用BEV『e-ハイゼット・カーゴ』と『e-アトレー』はさすがの機能性 ただし乗り心地は改善の余地あり

公開 : 2026.03.18 11:45

ダイハツかの新型軽商用BEV『e-ハイゼット・カーゴ』と『e-アトレー』に、スーパーカー超王こと山崎元裕が試乗。トヨタ、スズキと3社で共同開発したBEVシステム、『e-スマート・エレクトリック』が特徴です。

200万円台半ばで購入が可能に?

ダイハツから新型軽商用BEV、『e-ハイゼット・カーゴ』と『e-アトレー』が発表された。

ラインナップは商用車らしくシンプルで、まず、前者には『2シーター』と『4シーター』を用意。後者には『RS』と呼ばれる、さらに上質感を高めることによって乗商兼用としてのニーズにも応えるグレードを用意し、合計3モデルを設定している。

ダイハツの新型軽商用BEV、e-アトレー。取材車のグレードはRSとなる。
ダイハツの新型軽商用BEV、e-アトレー。取材車のグレードはRSとなる。    平井大介

価格はe-ハイゼット・カーゴが314万6000円、e-アトレーは346万5000円となり、金額だけを聞くと一瞬、驚くかもしれない。

しかし、実際には国からのCEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)や、地方自治体からの補助金を組み合わせることで、あくまでも予想ではあるが200万円台半ばで購入が可能になる計算だ。

加えてBEVのランニングコストの低さを考えれば、ガソリン車との価格差も、使用頻度(走行距離)が大きくなればなるほどに相殺されていくことになる。

今回試乗したモデルは、『e-アトレーRS』。軽商用BEVをビジネスユースのみならず、レジャーユースにも使おうというユーザーには特に気になる存在だろう。ちなみにe-アトレーとe-ハイゼット・カーゴのメカニズムは両車ともに共通だ。

3社共同開発のBEVシステム採用

まずは、そのBEVとしての成り立ちを簡単に解説しておくことにする。

2011年にフルモデルチェンジされて登場した現行型、すなわち初代から数えて実に11代目となるハイゼットをベースに、ダイハツ、スズキ、そしてトヨタの3社によって共同開発されたBEVシステム、『e-スマート・エレクトリック』を採用するe-アトレー。

フロア下のホイールベース間に薄型リチウムイオンバッテリーを搭載。
フロア下のホイールベース間に薄型リチウムイオンバッテリーを搭載。    平井大介

その大きな特徴は、フロア下のホイールベース間に搭載される薄型リチウムイオンバッテリーが持つ容量の大きさだ。36.6kWhという数字は軽BEVとしてはトップクラスにあるもので、それによって一充電走行距離はWLTCモードで257kmを実現する。

もちろん、実際の走行可能距離は気温やエアコンのオンオフなどによって大きく変化するが、ダイハツではそのモデルケースとして、『春秋の気温が25度でエアコンの使用がない場合』は約300km、『気温が30度でエアコンを使用する夏』は約170km、同様に『5度でエアコンを使用する冬』は約140kmという目安の数字を発表している。

また同社の調べによれば、軽商用車ユーザーの約8割は1日あたりの走行距離が100km未満であるというから、e-アトレーはまずは軽BEVとして十分な実用性を持つと評価していいだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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