アウディ e-トロンGT(1) 大幅アップデートでパフォーマンスは925ps! 急速充電は最大320kW 最短10分で280km分を充電

公開 : 2026.02.27 18:05

中期の改良を受けたe-トロンGT モーター強化にバッテリー12%増 車内は伝統のGTライクな雰囲気 「S」でもRS6 アバント凌駕の加速 アウディらしさ滲む操縦性 UK編集部が試乗

モーター強化にバッテリー12%増

アウディのバッテリーEV戦略で、重要な先鋒を担ったのが、e-トロンGT。「技術による先進」をキャッチコピーに掲げるブランドが生み出した、ポルシェと共同開発された電動スポーツサルーンだ。発売から5年を経て、大きなアップデートが施された。

その核となったのは、四輪駆動の電動パワートレイン。駆動用バッテリーの容量は97.0kWhで12%増しになり、9kg軽くなり、単体での重さは625kgへ減っている。急速充電は、最大320kWへ上昇。最短10分で、280km分の電気を蓄えられるという。

アウディ S e-トロンGT(英国仕様)
アウディ S e-トロンGT(英国仕様)

最高出力も上昇した。航続距離621kmが主張される、価格を抑えたベースグレードのe-トロンGT クワトロは、モーター2基の総合で503ps。S e-トロンGTは680psで、RS e-トロンGTは857psを得ている。

馬力で頂点にあるのが、RS e-トロンGT パフォーマンス。こちらは925psと、1000馬力が目前にある。これらの増強は、30kg軽い新開発のリアモーターで叶えられた。フロントモーターとリアへ組まれる2速ATは、従来から変更ないという。

ブレーキと見た目はグレード間で差別化

動力性能の向上に合わせて、ブレーキも改良を受けている。S e-トロンGTの場合、前のディスクは40mm拡大され、直径390mmに。RSには、タングステンカーバイド・コーティングされたディスクが組まれる。

アクティブサスペンションやカーボンセラミック・ブレーキなど、更に先進的な技術を得るには、上級仕様の指定が必要。車重は、試乗車を計測したところ2361kgで、大型の電動サルーンとしては重すぎず。前後の重量配分は、49:51と好バランスにある。

アウディ S e-トロンGT(英国仕様)
アウディ S e-トロンGT(英国仕様)

見た目は、フロントグリルの表情を作る六角形を更新。ボディの新色も追加された。ベースグレードとの差別化も図られ、従来は高性能版だという主張が抑えられていたS e-トロンGTは、フロントバンパーのトリムがクワトロとは異なる。

RSは、L字型のトリムでスポーティに。リアには、リフレクター付きのディフューザーが組まれる。RSのパフォーマンスなら、オプションのカーボンファイバー・トリムで精悍に仕上げることも可能だ。

伝統的グランドツアラーな雰囲気の車内

インテリアは、アップデート後でも大きな変化はない。タッチモニターは僅かに改良を受けたが、全体的な造形や主要なレイアウトは継承されている。デザインが素晴らしく、居心地が良い空間であることもそのままだ。

ダッシュボードは緩やかにカーブを描き、位置はやや高め。上質な素材感に、ドライバー側へ傾けられたタッチモニターやセンターコンソールと相まって、伝統的なスーパーサルーンやグランドツアラーのような雰囲気に仕上がっている。

アウディ S e-トロンGT(英国仕様)
アウディ S e-トロンGT(英国仕様)

ステアリングホイールはリムが細身になり、上下がフラットな形状に改められた。ポルシェ・タイカンより直径は僅かに大きく、扱いやすい。スポーク部分には、タッチセンサー式の操作パネル。物理スイッチと異なり、うっかり触れて誤操作しがちだが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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