メルセデスGクラスやディフェンダーに対抗 アウディ「タフなSUV」導入検討中 ラダーフレームの高級オフローダーに?

公開 : 2026.03.19 12:05

アウディのCEOは、Gクラスやディフェンダーに対抗する電動オフローダーの計画を示唆しました。主に米国市場をターゲットとし、フォルクスワーゲン・グループ傘下のスカウトのプラットフォームをベースにする可能性があります。

ターゲットは米国市場?

アウディのCEOであるゲルノート・デルナー氏は、メルセデス・ベンツGクラスランドローバーディフェンダーに対抗する電動オフローダーの開発を進めていることを改めて示唆した。

同社は数年前からオフロード車の導入を検討していた。アウディは計画を公式には認めていないが、デルナー氏は記者会見でこの件について問われた際、可能性を否定しなかった。

アウディは従来のSUVモデルと異なるオフロード車の導入を検討しているようだ。
アウディは従来のSUVモデルと異なるオフロード車の導入を検討しているようだ。    アウディ

「メディアでは常にさまざまな製品に関する憶測が飛び交っていますが、アウディブランドはエントリーレベルのEVからスポーツカー、そしてタフなSUVに至るまで、あらゆるものを実現できます」とデルナー氏は述べ、「将来、アウディには多くの期待が寄せられるでしょう」と付け加えた。

高級オフローダーは特に米国市場において重要とみられ、SUVに注力するという同社の製品戦略にも合致するだろう。その最たる例が、現在開発中の新型『Q9』だ。今年後半に発売される予定で、アウディ史上最大かつ最も豪華なSUVとなる。

デルナー氏は、「現在、Q9に非常に期待しています。これはまさに米国市場向けに開発された製品です。現地のお客様が何を求めているかを真剣に聞き入れ、初めて米国で先行発売することになりました。現地のお客様に対する強い意志を示すものです」と述べている。

スカウトのフレーム構造採用か

アウディが大型4WD車の開発を検討していることが初めて明らかになったのは2023年のことだ。当時デザイン責任者だったマーク・リヒテ氏は、『クワトロ』の伝統をうまく引き継ぎながら、これまで参入してこなかった高収益な市場分野を開拓できると示唆していた。

「このセグメントには高級メーカーが2社しか存在しないため、大きな可能性を秘めています。3社目が参入する余地はあると思います」とリヒテ氏は語った。

昨年1月に公開されたQ6 eトロン・オフロード・コンセプト
昨年1月に公開されたQ6 eトロン・オフロード・コンセプト    アウディ

リヒテ氏はその後まもなくアウディを去り、後任にはマッシモ・フラセラ氏が就任した。フラセラ氏は以前在籍したJLR(ジャガー・ランドローバー)でディフェンダーの開発を主導した経歴を持つ。

ディフェンダーに対抗する本格4WDの可能性について、デルナー氏は「その夢を諦めてはいけない」と語った。

基本構造としては、フォルクスワーゲン・グループの新ブランド『スカウト』のラダーフレームを採用する可能性がある。

また、デルナー氏によると、米国の新たな輸入関税を受けて現地での生産を検討するようになったという。米国でこうしたモデルが人気であることを考慮すると、米国生産が実現する可能性は高そうだ。

「グループ全体として、現在、米国にアウディの工場を建設すべきかどうかについて議論・検討を進めています。しかし、それは関税の状況が安定しているかどうかにかかっていますし、他の規制上の条件も考慮しなければなりません」

デルナー氏は、米国内にあるフォルクスワーゲン・グループの生産施設を使用することも「合理的かもしれない」とした上で、「重要なのは、アウディ専用の工場を建設するかどうかです。それは完全に未定で、米国政府との関係次第です」と語った。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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