英国で中古EVの販売が急増 燃料高騰と電気料金低下で関心高まる 

公開 : 2026.04.08 07:25

英国では燃料価格の高騰と家庭用エネルギー料金の低下を受け、中古EVの販売が急増しています。
ディーラーの販売台数は過去最高を記録し、最大で60%も増加したところもあるとのこと。背景には中東情勢の変化が。

さまざまな要因で電動化が促進

中東での戦争をきっかけとした燃料価格の高騰と、家庭用電気料金の低下により、英国では中古EVの販売が急増している。ディーラー各社がAUTOCAR UK編集部に語った。

2月28日に米国がイランへの最初の空爆を実施して以来、原油の卸売価格は3分の1以上上昇した。これにより、英国の軽油価格は1Lあたり平均40ペンス(約84円)、ガソリン価格は20ペンス(約42円)上昇。王立自動車クラブ(RAC)によると、いずれも月間の上昇幅としては過去最高だという。生活費の高騰に苦しむ家計にさらなる圧力をかけている。

中東情勢の変化を受け、英国ではEVへの関心が急速に高まっている。
中東情勢の変化を受け、英国ではEVへの関心が急速に高まっている。

こうした価格上昇が始まって以来、EVへの感心は高まり続けている。英国最大の自動車マーケットプレイス、オートトレーダー(Autotrader)におけるEVの問い合わせ件数は、新車で28%、中古車で15%増加した。

「従来の燃料が世界情勢の影響を受けやすいと感じるようになると、EVの魅力は格段に高まります。したがって、この戦争は英国市場全体におけるEVへの関心を高める重要なきっかけとなっています」と、オートトレーダーの最高顧客責任者(CCO)であるイアン・プラマー氏は述べた。

問い合わせの数は2倍に

実際、ディーラー各社はAUTOCAR UK編集部に対し、EV販売台数の増加を伝えている。その一例が、ノース・ヨークシャーにある中古EV専門ディーラー、ブラウンズ・オブ・リッチモンド社で、問い合わせ件数は2倍に、販売台数は60%増加した。

オーナーのフレイザー・ブラウン氏は、「通常、土曜日は販売スタッフが4~5名常駐し、同時に来店するお客様は5~6名程度です。しかし、先週の土曜日はショールームが満員で、一日中15~16人のお客様がドアの外で列をなしていました。全員が購入を希望していたのです」と語った。

ブラウン氏は、燃料価格高騰への懸念に加え、英国政府による家庭向けエネルギー料金(ガス・電気)の引き下げや中古車市場におけるEVの選択肢の増加といった要因が重なった「パーフェクトストーム」が、この関心の高まりを後押ししていると見ている。

「3年落ちの内燃機関車とEVの価格を比較すると、現在はEVの方が安くなっています。また、4月1日から適用されるエネルギー料金の引き下げにより、自宅での充電コストが低下しました。公共充電器における付加価値税(VAT)も20%から5%に引き下げられる見込みで、これもコスト削減につながります。ガソリンや軽油の高騰と相まって、これは転換点となっていると言えます」とブラウン氏は言う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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