3番目の量産EVはbZ4Xの短縮版 トヨタC-HR+(1) 74.7kWhで航続608km 運転姿勢はi-コクピット風

公開 : 2026.03.31 11:25

トヨタ3番目となる量産EV、C-HR+が英国でリリース。74.7kWhのバッテリーで、航続は最長608kmがうたわれます。心地良い反応の両ペダルに、身軽なコーナリング。UK編集部が評価しました。

トヨタ3番目となる量産EVはbZ4Xの短縮版

韓国勢がバッテリーEVで大胆な攻勢を仕掛けるのに対し、日本のトヨタは1歩1歩、着実。世界最大の自動車メーカーとして、市場での勢いに陰りはない。ハイブリッドの完成度は高い。それ故に、EVへの転換は慎重にならざるを得ないのかもしれない。

とはいえ、同社3番目となる量産EV、C-HR+が欧州市場へ投入された。トヨタ・アーバンクルーザーはスズキのOEMだから、自社開発モデルとしては2番目だが。

トヨタC-HR+ デザイン(英国仕様)
トヨタC-HR+ デザイン(英国仕様)

日本では終売となったC-HRながら、欧州市場では2代目が提供されている。だが、C-HR+はそれと関係はなく、実質的にはトヨタbZ4Xを縮めたモデル。全長は4520mmで170mm短く、全高は1595mmで55mm低い。他方、全幅は1870mmと10mm広い。

スタイリングは、bZ4Xと差別化されている。ボディサイドやショルダーラインは抑揚が強く、丸いホイールハウスが主張する。ルーフラインはクーペのように傾斜し、その後端にはダックテールスポイラー。だが、一層の個性があっても良かっただろう。

74.7kWhのバッテリーで航続は最長608km

モデル名のC-HRは、「クーペ・ハイ・ライダー」の略。トヨタらしいネーミングといえる。MR-2は、ミッドシップ・ランナバウト 2シーターの略だった。

bZ4Xは最近アップデートを受けたが、C-HRでは、より大容量の駆動用バッテリーを選べるのがトピック。標準の57.7kWhに加えて、ロングレンジでは74.7kWhも指定できる。モーターの最高出力はシングルが167psで、ツインは総合224psを得られる。

トヨタC-HR+ デザイン(英国仕様)
トヨタC-HR+ デザイン(英国仕様)

航続距離は、最も高効率なシングルモーターのロングレンジなら608km。多くの人が選ぶであろう20インチ・ホイールを履くと、563kmへ縮まる。ちなみに、ツインモーター版には342ps版も存在するが、英国市場では提供されないようだ。

急速充電は、最大150kWまで。ひと回り大きい、ヒョンデアイオニック5より遅いものの、同クラスでは不足ない速さにある。

快適なシートにi-コクピット風の運転姿勢

インテリアは、bZ4Xとほぼ同じ。車内一面がダーク・グレーで、ダッシュボードやドアパネルの触感は柔らかいものの、高級感は伴わない。センターコンソールは、セミグロス・ブラック仕上げで指紋は残りにくいが、特別感を漂わせるわけではない。

ダッシュボード高めのメーター用モニターと、膝上へ伸びるステアリングホイールの位置関係は、プジョーのi-コクピット風。正面のモニターは確認しやすい一方、運転席の座面とアームレストの位置は高めで、自然な姿勢を取れるとはいいにくい。

トヨタC-HR+ デザイン(英国仕様)
トヨタC-HR+ デザイン(英国仕様)

シートの座り心地は素晴らしく、マイクロファイバー・スエードの肌触りも良い。カラーはグレーだけでなく、切り返しの差し色があっても良かっただろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

トヨタC-HR+の前後関係

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