新型はポルシェ史上最強の量産車 カイエン・エレクトリック・ターボ(1) 正常進化なスタイリングとインテリア

公開 : 2026.04.02 18:05

ポルシェ史上最強の量産車、1156psのカイエン・エレクトリック・ターボ登場。正常進化な容姿と車内、猛烈な加速力に直感的な操舵感など、多くの強みを秘めます。UK編集部が評価しました。

新型のターボは同社史上で最強の量産車

初代ポルシェカイエンは、熱心なブランドファンによる批判へ揉まれながら、2002年に登場した。こんなSUVを欲しがる人はいるのか、といった意見と裏腹に、実際は経営を立て直せるほど売れた。これまで、150万台以上が届けられている。

そんなポルシェのSUVは、電動へシフトする。今回試乗したターボは、全開放時の最高出力が1156ps。最大トルクは152.6kg-mに達する。ローンチコントロールを起動すれば、2645kgの車重を振り払うように、0-100km/h加速を2.5秒で処理するという。

ポルシェ・カイエン・エレクトリック・ターボ(欧州仕様)
ポルシェ・カイエン・エレクトリック・ターボ(欧州仕様)

カイエン・エレクトリック・ターボは、同社史上で最強の量産車。パワートレインの技術力に、唸ってしまう。ここまで強力なSUVが必要なのか、という議論も呼ぶだろう。

とはいえ、通常は857psに制限されている。ベーシックな「エレクトリック」なら、474psに85.0kg-mで、0-100km/h加速は4.8秒と、見慣れた数字に収まっている。もっとも、数世代前なら驚くほどのエネルギーに感じられたはずだが。

Cd値0.25の正常進化なスタイリング

スタイリングは、確かにカイエンらしい。試乗車のグレーがかったグリーンは、かなりハイセンス。クリーンな造形で主張は控えめで、正常進化といった印象を受ける。通常のワゴンボディに加えて、クーペボディも控えている。

全長は4985mm、全幅が1980mm、全高が1674mmで、3代目より長く低い。空気抵抗を示すCd値は、0.25と印象的な小ささ。ひと回り小柄な、Q6 e-トロンより抑えられているほど。可能な限り空気を滑らかに流す、アクティブエアロが効いている。

ポルシェ・カイエン・エレクトリック・ターボ(欧州仕様)
ポルシェ・カイエン・エレクトリック・ターボ(欧州仕様)

プラットフォームはアウディQ6 e-トロンと共有し、駆動用バッテリーは高密度なNMCセルで、容量108kWhと巨大。急速充電は400kWに対応し、最短26分で残量10%から80%へ回復できる。いいかえれば、5分で160km相当の電気を蓄えられる。

サスペンションは、アダプティブ・エアスプリングが標準。試乗車のように、ターボにはポルシェ・アクティブライドを追加費用で組める。前後左右で独立制御され、ボディをフラットに保ち、機械式のアンチロールバーを不要とするシステムだ。

車内の雰囲気は紛れもなくポルシェ

インテリアで目を引くのは、ダッシュボードへ沿ってカーブを描くモニターパネル。グラフィックは量産車屈指の精細さで、エアコンには独立したモニターパネルが用意されている。下部にパッド入りのハンドサポートがあり、操作しやすい。

助手席側にも、追加費用でタッチモニターを追加できるが、その有無を問わず、車内の雰囲気は紛れもなくポルシェ。ワイドなメーター用モニターが正面に据えられ、素材はくまなく上質。落ち着きがあり、完璧なデザインに思える。

ポルシェ・カイエン・エレクトリック・ターボ(欧州仕様)
ポルシェ・カイエン・エレクトリック・ターボ(欧州仕様)

内装の素材には、ビーガン向けの選択肢も用意される。運転環境の人間工学は、上級SUVとして納得の水準。ヘッドアップディスプレイは、表示位置の調整が難しかった。

シートヒーターはオプション。ドアの内張りやアームレストにも、ヒーターを実装できる。調光可能なパノラミック・ガラスルーフを装備すれば、陽光が降り注ぎ心地良い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ヴィッキー・パロット

    Vicky Parrott

    2006年より自動車ジャーナリストとして活躍している。AUTOCARを含む複数の自動車専門誌で編集者を歴任した後、フリーランスとして活動を開始し、多くの媒体で執筆を続けている。得意分野はEV、ハイブリッド、お菓子。2020年からは欧州カー・オブ・ザ・イヤーの審査員も務める。1992年式のメルセデス・ベンツ300SL 24Vの誇り高きオーナーでもある。これまで運転した中で最高のクルマは、2008年のフォード・フィエスタSTとアルピーヌA110。どちらも別格だ。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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