導かれたジャガーのル・マン優勝 トム・ウォーキンショー・レーシング(1) XJR-15にクリオ V6 50周年に集った名車たち

公開 : 2026.06.13 17:45

ルノー・クリオ(ルーテシア)V6

スコット・グランダー氏

ハッチバックの真ん中に、V6エンジンが押し込まれたクリオ V6。グランダーは、このモデルの専門ガレージを営んでいるが、以前はMGメトロ 6Rの整備にも携わっていたとか。彼が乗ってきたブルーの1台は顧客のクルマで、実は特別な仕様でもある。

ルノー・クリオ(ルーテシア)V6と、スコット・グランダー氏
ルノー・クリオ(ルーテシア)V6と、スコット・グランダー氏    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

「TWRの25周年にトムさんへ贈られたクルマで、車体番号はTom00001なんですよ。内装はレザーとアルカンターラで、シートはルノー・スポール・スパイダーのもの。実は、TWRは当初この内容でルノーへ提案したんですが、予算オーバーでした」

「ボディはフランス人のアクセル・ブロインさんがデザインしましたが、シャシーはTWRが開発しているんです」と彼が続ける。このクリオV6はワンオフで、2008年までTWRのコレクションとして保管されていたそうだ。

ジャガーXJR-15 R9R

オーナー:アンドリュー・メイナード氏

ジャガースポーツ社は、ジャガーとTWRによる合弁事業として運営されていた。だが、ル・マン優勝のグループCカー、XJR-9をベースにした公道用モデルの開発をTWRが決定した際、パートナーの上層部へ伝えることを忘れていたらしい。

ジャガーXJR-15 R9Rとオーナーのアンドリュー・メイナード氏
ジャガーXJR-15 R9Rとオーナーのアンドリュー・メイナード氏    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

その時既に、ジャガーはXJ220の開発を進めていた。ウォーキンショーはなんとか説得し、プロジェクトは承認。1990年から1992年にかけて、XJR-15は僅か50台が生産されている。しかもメイナードが所有するのは、2台だけ作られたR9Rだ。

彼が購入したのは2013年。レストアを始めて数か月後に、R9Rだと気付いたらしい。「塗装を剥がすと、ルーフがシルクカット・カラーで塗られていると判明したんです。内装はリベット留め。クラムシェルを持ち上げると、NACAダクトの跡も残っています」

トム・ウォーキンショー・レーシング(2)では、元スタッフによる秘話をご紹介したい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ライアン・スタンデン

    Ryan Standen

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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