スバル・エクシーガ・クロスオーバー7 2.5i アイサイト

公開 : 2015.06.05 23:40  更新 : 2021.10.11 09:10

エンジンは、173psの最高出力と、24.0kg-mの最大トルクを発揮する、2.5ℓの水平対向4気筒DOHC16バルブ。これにCVT=リニアトロニックを組み合わせる。駆動方式はもちろんAWD。アイサイトは、最新のVer.3ではなく、Ver.2となるが、新たにサイド・エアバッグやカーテン・エアバッグが標準装備化されたことなど、安全装備の充実は十分に評価できる。

■どんな感じ?

ベースとなるエクシーガが誕生してから、すでに7年。クロスオーバー7が発表された時には、このさらなる延命策には、正直なところ、あまり大きな魅力は感じなかった。ミニバンからSUVへと路線変更したと聞いても、基本的なボディーデザインやエンジニアリングは変わりようがないのだから、それも自分の中では自然な感想にほかならなかった。

けれどもその第一印象は、もしかすると間違いだったのかもしれないぞ、と思ったのは、クロスオーバー7のキャビンを見た瞬間だった。目前に広がるその空間は、これまでのエクシーガのように、機能性のみが主張された、無機質的な空間ではなかった。単純にそのカラーコーディネイトに騙されているといえばそれまでだが、高級感やスポーティーな感覚を確実に強めたキャビンは、これから自分自身のライフスタイルが、クロスオーバー7によってどう変化していくのかということへの期待、そして走りへの期待をも、大いに高めてくれるフィニッシュだったのだ。

7人乗りSUVとしての機能性も高い。エクステリアからも想像できるように、床面がやや高くなる3列目シートでも、着席時には頭上に十分な余裕が残る。フットスペースに余裕を得るためには、2列目シートを多少前方へとスライドさせなければならないが、それでも7人乗車することには抵抗を感じない。

フロントの2.5ℓ水平対向6気筒エンジンは、実用域での厚みのあるトルクが印象的。回転も非常に滑らかだから、日本の法定速度での高速巡航などは、その魅力が最も大きく感じられるシチュエーションだろう。もちろんこのような、ゆったりとしたクルージングだけではなく、このクロスオーバー7は、その気になればワインディングで、スポーティーな一面を味わうことも可能だ。特に好印象が得られたのは、これまでのエクシーガから、チューニングが変更されたというサスペンション。ボディー剛性そのものは、さすがに現代の水準から考えると、十分に満足できるものとはいえないが、それでもここまでの乗り心地と、ナチュラルな動きを実現するのだから、このサスペンションのチューニングは素晴らしい。

記事に関わった人々

  • 山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。

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