同門『ホンダN-BOX』らの後塵を拝し辛い立場のコンパクトカー マイチェンを受けた新型『フィット』に現行型オーナーが思うこと

公開 : 2026.07.15 11:45

スポーティなイメージを強調

現行型フィットは走行性能や燃費、パッケージング、安全性能では高い評価を得ている。だが、外観のスタイルやデザインではスポーティなものをという要望があった。特に2022年の一部改良で『RS』グレードが追加されてから、フィットの中でも人気が高まっていった。また、シートヒーターなど快適装備の充実も要望されていた。

こうして一部改良されたフィットでは、標準グレードをRSに似たスポーティなイメージの『Z』に統一。

マイナーチェンジで注目を浴びるスポーティグレード『Z』。
マイナーチェンジで注目を浴びるスポーティグレード『Z』。    山本佳吾

トップグレードには『RS』、クロスオーバー的で独特な立ち位置で人気の『クロスター』はそのままで、残りはエントリーグレードの『X』というシンプルなグレード体系とした。

パワートレインもハイブリッドの『e:HEV』は全グレードに設定されるが、ガソリン車はZとXのみと、ハイブリッド中心のラインナップとなった。

従来型オーナーとして悩みどころ

クルマが一部改良された時、やはり従来型オーナーは『どう変わったのか?』が気になるところ。

実は筆者は2022年に追加設定された『フィットe:HEV RS』に乗っており、今回の一部改良はかなり気になっていた。中国仕様の細いヘッドランプを採用して顔つきを一新するとも噂されていたが、実車を見て、まずはホッとした。

中国仕様の細いヘッドランプを採用しなかったのは、オーナーとしては朗報だ。
中国仕様の細いヘッドランプを採用しなかったのは、オーナーとしては朗報だ。    山本佳吾

確かにこれまで標準車に乗っていた人は、スポーティになったZを見ると複雑な心境になるかもしれない。新しいグレードゆえ仕方ないとも言えるが、同じグレードでガラリと変わったら、従来型オーナーとしては悩みどころだろう。

外観にはピアノブラックのアクセントを用いたり、内装はブラック基調としてレッドステッチを施したり、専用のスエードコンビシートも採用した。

だが、パッと見は従来型と大きく変わらない。内装も従来型はグレー基調にイエローステッチだが、そもそも内装は表からはあまり見えないから、極端に変わっていなければ気にならない。

シート&ステアリングヒーターやワイヤレスチャージャー、IRカットフロントガラスなどの快適装備が標準化されたが、このあたりも一部改良で装備が充実するのは仕方ないところだ。

「従来型オーナーの気持ちを考えた」

フィットの開発責任者である磯貝尚弘氏は、「従来型オーナーの気持ちを考えて、バランスの良い商品強化とした」という。

確かに内外装は一部改良されたが、パワートレインやRSの足まわりなどは変更されていない。つまり、従来型のフィットRSならではの『小気味良い走りや燃費の良さ』に変わりはないということだ。

一部改良されたフィットのコンセプトは『スポーティ&コンフォート』。
一部改良されたフィットのコンセプトは『スポーティ&コンフォート』。    山本佳吾

「SUVやミニバン、スーパーハイトワゴンの台頭でコンパクトカーは辛い立場ですが、この手を求める層はいるので、きちんと育てていかなければなりません」と磯貝氏。

一部改良されたフィットのコンセプトは『スポーティ&コンフォート』。スポーティさを前面に快適性をプラスして、コンパクトカー市場を盛り上げていくことにオーナーとしても期待したいところだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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