庶民が一緒に暮らせたヒーロー オースチン・ミニ・クーパー / フォード・エスコート 1300GT(1) 2台が与えたささやかな興奮
公開 : 2026.09.13 17:45
割高感は殆どなかったエスコート 1300GT
他方、通常のミニ・クーパーに並ぶ存在といえたのが、エスコート 1300GT。標準のエンジンは1.1Lだったが、1.3Lで価格は25%高いだけだった。装備が充実していたため、むしろ割高感は殆どなかったといえる。
エンジンは、エスコート・スーパー用のオプション、1298ccユニットがベース。ハイカムシャフトとツインチョーク・ウェーバーキャブレター、4分岐の排気マニフォールドが与えられ、最高出力は65psに達した。

今回ご登場願った1970年式では、エンジン自体も改良され73psへ向上。幅4.5Jのスチールホイールとフロントのディスクブレーキ、ラジアルタイヤが標準で組まれている。
1960年代後半らしいスポーティな雰囲気
ドアを開いて車内へ収まると、1960年代後半らしいスポーティな雰囲気がうれしい。エスコート・ツインカムと同じダッシュボードは、6連メーターが誇らしい。内装トリムは当初シルバーだったが、改良でフェイクウッドへ変更されている。
メーターリングのクロームが鈍く輝くが、それ以外はブラック。今でも本気度の高い、機能的なコクピットに映る。半世紀前は、一層シリアスに思えたはず。四角いヘッドライトから続くフェンダーの峰が、フロントガラス越しに見える。

シートを包むビニールレザーには、細かなパンチング加工が施され、汗ばむのを多少は防いでくれる。人間工学にうるさいフォードだが、リムを握る手がダッシュボードに触れがちなため、ステアリングホイールはオーナーの好みで交換されている。
シフトレバーは滑らかに倒せ、曖昧にグラつくことはない。ペダル配置も望ましく、直感的に傾けられ、ステアリングも重すぎない。新車時、ディーラーからの短時間の試乗でも、多くの人が納得できたはず。
この続きは、オースチン・ミニ・クーパー / フォード・エスコート 1300GT(2)にて。























































































































