レンジローバー・エレクトリック正式発表(2) V8を凌駕する期待の電動モデル 渡河水深900mm、過酷な環境で真価を発揮

公開 : 2026.09.04 07:25

水深900mmまで対応、賢いサスペンション

徒歩でも容易には登れないような急斜面を這うように登る場面では、この「エレクトリック」の真価が遺憾なく発揮された。内燃機関モデルの場合、エンジンの反応時間を考慮する必要があり、さらにトルクコンバーターや駆動系全体での遊びの解消も必要となる。一方、EVの反応ははるかに速く、出力の調整も非常に容易だ。

気になる点があるとすれば、リアディファレンシャルが常にオープン状態であるという点だ。そのため、グリップのある車輪に動力を伝える前に、空転している車輪にブレーキをかける必要がある。この処理もかなり迅速に行われるが、古典的な機械式ディファレンシャルロックほど確実ではない。

レンジローバー・エレクトリック
レンジローバー・エレクトリック    JLR

公式の最大渡河深度は900mmだが、レンジローバーは水の中を走行しているかどうか、また水深がどれくらいかを車両自体で把握している。センサーがサスペンションにかかる荷重を測定し、車体の浮力を把握しているのだ。

サスペンションは状況に合わせて伸長し、車体を可能な限り水面から持ち上げてタイヤにかかる荷重を増やし、トラクションを向上させる。極端な状況では、サスペンションのストロークがさらに60mm増加するため、公式には推奨されていないものの、実際の渡河水深は960mmとなる。その水深を超えるとどうなるかは、あまり考えたくないが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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