レンジも電気に レンジローバー・エレクトリック 試作車(1) 歴代最大の意味を持つハードとは?
公開 : 2025.07.21 19:05
大きな意味を持つ電動のL460型レンジローバー パワートレインは自社製 乗員とバッテリーを好環境へ保つ新技術 頼もしさが湧く圧巻の走破性 電動化のメリット確信 UK編集部が試作車へ試乗
歴代最大の意味を持つ電動の試作車
車重2.8tの高級SUVが、岩だらけの小道を進む。グレートブリテン島南西部に位置するイーストナー・キャッスル開発センターの原野は、数10年に渡り、歴代のレンジローバーが磨かれてきた場所だ。
ここへ英国編集部がやってきた理由は、過去最も大きな意味を持つ、新世代の試作車へ試乗するため。ジャガー・ランドローバー(JLR)社は、ジャガー I-ペイスでバッテリーEVの口火を切ったが、それ以来となる新モデルが2025年後半に発売される。

まだ第一印象ではあるが、完成度は間違いなさそうだ。優雅で落ち着いた、アイデンティティは変わらない。きっと、世界は受け入れてくれるだろう。
最大の強みが、明確にレンジローバーらしいこと。既存のモデルラインの延長上にあり、ガソリンやディーゼル、プラグイン・ハイブリッド(HV)など並行して販売される。高級感に不足はなく、能力に長け、唯一といえる訴求力を得ている。
モーターやバッテリーは自社製 基礎骨格はMLA
レンジローバー・エレクトリックは、現行のL460型、エンジン版レンジローバーと同じアルミニウム製MLAフレックス・プラットフォームを基礎骨格とする。開発を率いた技術者、サイモン・フェアブラザー氏は、当初からEVも想定されていたと説明する。
駆動用バッテリーは、ニッケル・マンガン・コバルト系で、容量は118kWh。駆動用モーターは前後に1基づつ搭載され、合計での最高出力は549ps、最大トルクは86.5kg-mを得ている。これらの電動パワートレインは、JLR自ら製造している。

航続距離は、現実的な数字で約480km。現在の技術と利用環境における、ベストバランスだと主張される。より馬力を高めることも、距離を伸ばすこともできるが、それには大きなバッテリーが必要になり、悪循環へ陥るとのこと。
ロングホイールベースも予定 3列目はナシ
サスペンションは、レンジローバー・スポーツ譲りのツインチャンバー・エアスプリング。アダプティブダンパーとペアを組み、ボディの動きを精緻に制御する。重心位置が低く、アクティブ・アンチロールバーは非採用となり、乗り心地では有利だという。
車重は約2800kg。プラグインHVのレンジローバーから、100kg増に留めている。前後の重量配分は、より理想に近いそうだ。

ボディは、ロングホイールベース版も予定されているが、3列7シーターは選べない。電動パワートレインの機器が、車両後方のフロア下部分を専有するためだ。
荷室の広さ自体は、通常のレンジローバーと変わらない。しかし、オプションのスペアタイヤを選択すると、荷室内に設置されることになる。































































































































































