2027年に軽EVを発売する新たな自動車ブランド『エムタ』が目指す「日本品質」とは 新設されたR&Dセンターでそのビジョンを訊く

公開 : 2026.09.07 17:05

8月31日、日本発の新たな自動車ブランド『エムタ』を展開するモビリティカンパニー『EMT』が、メディア向けセッションを開催。日本品質を実現するための『R&Dビジョン』などを紹介しました。編集部ヒライのレポートです。

日本品質を実現するための『R&Dビジョン』

8月31日、日本発の新たな自動車ブランド『エムタ』(EMTA)を展開するモビリティカンパニー『EMT』が、メディア向けセッションを開催。彼らが目指すブランドのあり方や、『日本品質』を実現するための『R&Dビジョン』などを紹介した。

EMTは昨年1月30日に、オートバックス、アネスト岩田、中国の奇瑞汽車(チェリー)、国軒高科(ゴーション)、悦達集団(ユエダ)の5社の出資により設立された日本企業。今年5月にエムタのブランド事業を発表し、7月に今回の会場になった『EMT R&Dセンター』を開設した。

EMTは2029年までに計4車種を展開予定。第1弾は来年発表の軽EVで(左上)、他はこのイメージ画像を見る限りはコンパクトカー、SUV、MPVとなりそうだが、詳細は明かされていない。
EMTは2029年までに計4車種を展開予定。第1弾は来年発表の軽EVで(左上)、他はこのイメージ画像を見る限りはコンパクトカー、SUV、MPVとなりそうだが、詳細は明かされていない。    平井大介

今後は中国に生産拠点となる『EMT工場』を10月に竣工し、2027年には市販車第1弾として軽乗用車EVを発表する予定だ。その後も、2029年までに計4車種を展開するとしている。

軽EVは日本向けモデルとなるが、他の3台はグローバルでの展開も想定されている。今回デザインパートで投影されたイメージ画像を見る限り、コンパクトカー、SUV、MPVとなりそうだが、詳細は明かされていない。

また、今回初公開されたティザー画像では軽EVの愛らしいフロントフェイスがお目見えしているが、これはかなり市販モデルに近いそうだ。本来であればこの日、実験車を会場でお披露目する予定だったが、台風の影響で到着が間に合わなかった。なお到着後は日本国内適合実験が本格スタートし、来年のデビューに備えることになる。

キーとなった言葉は『日本品質』

今回のセッションでキーとなった言葉は、『日本品質』だ。

軽EVが中国で生産され、出資元にチェリーの名前があることで、開発から生産まで全てが中国側で行われると思いそうだが、それは事実でない。他の多くの自動車と同じように、チェリーを含めた様々なパートナーやサプライヤーから供給を受け、それらを統合し、EMTによる意思決定の元で開発を進めている。

今回初公開されたティザー画像では軽EVの愛らしいフロントフェイスがお目見え。これはかなり市販モデルに近いそうだ。
今回初公開されたティザー画像では軽EVの愛らしいフロントフェイスがお目見え。これはかなり市販モデルに近いそうだ。    EMT

EMTは神奈川県横浜市のみなとみらいに本社があり、R&Dセンターは同じく横浜市に作られた。実はアネスト岩田と同じ敷地内となるが、みなとみらいに近い立地と偶然空いていたスペースの関係で決めたそう。

これらの事実から導き出されるのは、あくまで彼らが『日本の企業として、日本らしい製品』を作ろうとしていること。エムタの製品には、『日本らしいきめ細かさが活かされる』というのである。

メイド・イン・ジャパンとして世界に向けて

日産自動車に約30年在籍し、初代リーフではプログラムダイレクターとしてグローバル開発をリードしたというCTOの山本浩二氏によれば、今回は中国の力を借りて製品化を実現しているが、他の3車種に関しては日本での生産も視野に入れているという。そのうえで『メイド・イン・ジャパン』として、世界に向けて展開したいそうだ。

市販車第1弾モデルとなる軽EVは、ゼロから開発した新プラットフォームに、最新のeアクスルと大容量床下バッテリーを搭載したモデル。フルスタックOTA(無線アップデート)により納車後もアップデートが可能なSDVとなり、クラウドサーバーは日本に置くとのことだ。

また、スマートフォンとシンクロし、解錠、起動、シート位置、ミラー、エアコン温度、画面設定などをお気に入りの設定に自動変更することが可能。エンドトゥエンド方式のレベル2自動運転システム搭載も開発しているが、これはまだ日本の公道で導入されていないので、将来的な計画となる。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

関連テーマ

おすすめ記事

 

Google検索で『AUTOCAR JAPAN』の記事を見つけやすくする方法