トヨタ・ヤリス・クロス FWD(2) 日々の移動で応える抜群の完成度 当然のように滑らかなハイブリッド 他社へ誇れる実燃費

公開 : 2026.09.24 18:10

同クラスの主要な選択肢『トヨタ・ヤリス・クロス』が小変更を受け、見た目は新型RAV4へ寄せた顔つきになりました。滑らかで漸進的なハイブリッドに、軽く正確な操舵感、他社へ誇れる燃費も魅力です。UK編集部が試乗します。

滑らかで漸進的な印象のハイブリッド

数世代に渡る進化を重ねたハイブリッドを積む、トヨタヤリス・クロス。当然のように、滑らかで漸進的なフィーリングを実現している。特に低速域では、エンジンとモーターの切り替わりは殆ど感じ取れないほど。

システム総合での最高出力は130psで、最大トルクは18.7kg-m。0-100km/h加速は10.7秒と速いわけではないが、市街地では意外なほど軽快。郊外の幹線道路でも、不満は感じにくい。日常的な環境なら、低い回転数で働き静かでもある。

トヨタ・ヤリス・クロス・エクセル FWD(英国仕様)
トヨタ・ヤリス・クロス・エクセル FWD(英国仕様)

高負荷時には、エンジンの少々荒っぽいノイズが耳に届くものの、必要充分な動力性能にある。e-CVTにマニュアルモードは備わらないが、Bレンジを選べば、アクセルオフで回生ブレーキを強めることが可能。従来のような、ラバーバンド感は殆どない。

アクセルペダルを優しく傾け、焦らず運転すれば電気モーターを活用でき、充分な速さで効率的に目的地を目指せる。滑らかなe-CVTが、そんな雰囲気と良く調和する。ブレーキペダルの感触は、若干コシが足りないけれど。

買い物から旅行まで多能にこなせるトヨタ

ステアリングは軽い力で回せ、反応は正確。そのチューニングは絶妙といって良い。混雑した都市部や、狭い駐車場での取り回しの良さが光る。

手のひらへ伝わる感触は薄くても、峠道でのライン取りもしやすい。カーブでのボディロールも、抑制が効いている。とはいえ、クルマとの一体感が高いわけではなく、濡れた路面ではグリップが不足気味に思えたが。

トヨタ・ヤリス・クロス・エクセル FWD(英国仕様)
トヨタ・ヤリス・クロス・エクセル FWD(英国仕様)

乗り心地も、概ね良好。低速域では若干突き上げ感が強く、細かな揺れを残しがちで、落ち着きは今ひとつながら、大きなうねりなどは上手に処理してくれる。車高の高さを感じるが、気になるほどでもない。

荒れた路面で、ロードノイズが目立ちがちだが、風切り音は抑えられている。運転の楽しさで惹き込まれることはなくても、親しみやすいコンパクト・クロスオーバーとして、毎日の買い物から高速道路での旅行まで、多能にこなせるトヨタといえる。

他社へ誇れる実環境での燃費

燃費は、WLTP値で19.6km/Lから22.7km/L。今回の試乗では、複合的なルートでの平均で20.2km/Lが示された。1度の満タンで、720kmは走れる計算になる。穏やかな速度で流れる区間では22.3km/Lに届いており、他社へ誇れる数字だろう。

英国価格は2万7445ポンド(約590万円)から。トップグレードのGRスポーツを選ぶと、3万5095ポンド(約755万円)へ上昇する。ルノー・キャプチャー E-テック・フルハイブリッドなどのライバルより、僅かに高めの設定といえる。

トヨタ・ヤリス・クロス・エクセル FWD(英国仕様)
トヨタ・ヤリス・クロス・エクセル FWD(英国仕様)

エントリーグレードでも装備は充実しているが、英国仕様のオススメはエクセル。シートヒーターに大きいメーター用モニター、電動テールゲートなどの装備を得られる。

記事に関わった人々

  • サム・フィリップス

    Sam Phillips

    役職:常勤ライター
    AUTOCARに加わる以前は、クルマからボート、さらにはトラックまで、EVのあらゆる側面をカバーする姉妹誌で働いていた。現在はAUTOCARのライターとして、トップ10ランキングや定番コンテンツの更新、試乗記や中古車レビューの執筆を担当している。最新の電動モビリティ、クラシックカー、モータースポーツなど、守備範囲は広い。これまで運転した中で最高のクルマは、1990年式のローバー・ミニ・クーパーRSP。何よりも音が最高。
  • 中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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