トヨタ・アーバンクルーザー(1) 見た目は本格派SUV スズキeビターラと共有ハードをチェック

公開 : 2026.01.13 18:05

e-ビターラの兄弟モデル、アーバンクルーザー 見た目は本格的SUV 狭い後席に反応の遅いタッチモニター 市街地で優れない乗り心地 1世代前の航続距離 UK編集部が厳しい評価

スズキe-ビターラの兄弟モデル

トヨタから、2番目となる量産バッテリーEVが登場した。どこかで見た記憶がお有り? それは既に販売が始まっている、スズキeビターラの兄弟モデルだからだろう。

スズキはトヨタと提携関係にあり、欧州ではカローラ・ツーリングとRAV4を、スウェイスとアクロスという名で販売している。その見返りとして、インドで生産されるeビターラがトヨタへ提供されたのだろう。

トヨタ・アーバンクルーザー・デザイン 61kWh(英国仕様)
トヨタ・アーバンクルーザー・デザイン 61kWh(英国仕様)

ただし、小さな電動クロスオーバーの競争は厳しい。欧州勢では、低価格なシトロエンe-C3 エアクロスやルノー4 E-テック、上級なボルボEX30ミニ・エースマン、アジア勢ではキアEV4やBYDアット2まで、数え切れないほどの競合モデルが存在する。

果たしてトヨタは、約3万ポンド(約612万円)からと、お高めの価格に設定した。同社のハイブリッドのように、多くの人が納得する仕上りといえるだろうか。

見た目はヤリス・クロス以上に本格派SUV

モデル開発を主導したのはスズキだが、プラットフォームはトヨタも技術協力したという、アーバンクルーザー。基本的なメカニズムは、eビターラと共有する。

駆動用バッテリーはリン酸鉄リチウム(LFP)で、容量は廉価な47.8kWhか、25%ほど大きい59.8kWhを選択可能。航続距離は、344kmと426kmが主張される。駆動用モーターは、144psか174psの2種類が用意され、どちらも前輪駆動だ。

トヨタ・アーバンクルーザー・デザイン 61kWh(英国仕様)
トヨタ・アーバンクルーザー・デザイン 61kWh(英国仕様)

トヨタのハンマーヘッド・デザインが取り入れられたボディは、充分に差別化されている。ボンネットやガラスエリアは高い位置にあり、サイドパネルは引き締まって見え、ヤリス・クロス以上に本格的なSUVに見える。

ヘッドライトはLEDで、アルミホイールは大径で、凛々しく感じる方は多いはず。ただし、外観から想像するほど車内は広くないが。

高い製造品質 狭めの後席と荷室

インテリアはグレー基調。eビターラではブラウンを差し色で選べるものの、設定はない。素材の質感は同クラスとしては充分高く、製造品質にも優れる。センターコンソールを埋めるグロスブラックのパネルは、安っぽく見えるかもしれないが。

小物入れなどの収納は、各部に用意されている。宙に浮いたセンターコンソールの下にも、財布などを置くのにちょうどいい空間が隠れている。

トヨタ・アーバンクルーザー・デザイン 61kWh(英国仕様)
トヨタ・アーバンクルーザー・デザイン 61kWh(英国仕様)

フロントシートは座り心地に優れ、しっかり身体を支えてくれる印象。座面の位置が高く、見晴らしが良い。反面、ステアリングホイールは前後方向のテレスコピック調整ができず、身長が高い人は、望ましい運転姿勢を探しにくいだろう。

リアシートは40:20:40の分割で倒せ、前後にスライド可能。空間は狭めで、後方へ寄せても、前後・上下ともに余裕は感じにくい。荷室容量は238Lと狭め。後席を前へずらせば310Lへ広がる反面、子どもしか座れなくなる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    アレックス・ウルステンホルム

    Alex Wolstenholme

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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