令和の北米逆輸入車『日産ムラーノ』 ミッドサイズというよりはフルサイズSUV? 非電動化モデルでも漂う「こういうのでいいんだよ」感

公開 : 2026.09.24 12:05

座り心地はいかにも北米市場で好まれそうなイメージ

室内では、左右シート間のアームレストの幅広さで広大さを実感。シートも心なしかひと回り大きく感じる。クッション自体も深めで余裕があり、座り心地はいかにも北米市場で好まれそうなイメージそのままだ。

インターフェイス全ての表記は英語のままとなる。アンドロイドオートやアップルカープレイを繋げば日本語となるので、それを前提とすれば問題はないと言える。しかし、咄嗟に英語で出た表示をすぐに読み取れない方が日常で使うには、長い目で見ればストレスになるかもしれない。

エンジンはKR20DDETと呼ばれる2L直4ターボで、最高出力180kW(245ps)/最大トルク352Nm。
エンジンはKR20DDETと呼ばれる2L直4ターボで、最高出力180kW(245ps)/最大トルク352Nm。    平井大介

ただしちゃんと、速度がkm表記、温度が℃表記になっていることは見逃せないポイントとして書いておきたい。

エンジンはKR20DDETと呼ばれる2L直列4気筒ターボで、最高出力180kW(245ps)/最大トルク352Nm。駆動方式は4WDだ。そして車重とボディサイズを頭に入れると、『その成り立ちから想像するとおりの走り』と書くのが一番自分の感覚に近い。

ダウンサイジングターボらしく過不足はなく、どちらかと言えばゆったりと走りたいタイプ。キャラクター的には3.5LのV6が似合いそうだが、さすがに時代が許さないのだろう。しかしいくらアメリカの政策が逆行しているとはいえ、今どき電動化されていない仕様は貴重だ。

先を急ぎたいと思うタイプのクルマではない

なお、最後まで慣れなかったのは、高速道路で巡行している時、アクセルオフをしてもあまり減速せずに前走車にだんだん近づいていく場面があったこと。渋滞の遠因になる足踏みブレーキはあまり使いたくないが、シフトダウンだと減速しすぎてしまう。

巡行の乗り心地自体は悪くなく、先を急ぎたいと思うタイプのクルマでもないのに、クルマは気持ちより先に進んでしまうのが、ちょっと気になってしまった。念のため書いておくと、回生ブレーキやディスタンスコントロールがなくても、多くのクルマは自然に減速していく場面でだ。

アメリカの香りがする『令和の逆輸入車』たちがはまる層は、想像より多いのではないか。
アメリカの香りがする『令和の逆輸入車』たちがはまる層は、想像より多いのではないか。    平井大介

さて、大きさに慣れてきた頃にスポーツモードに入れたら、硬くなった足まわりからゴツゴツ感も伝わってきて、ひと昔前に語られた『SUVらしさ』も出てきた。全体の成り立ちは至って普通のクルマだが、乗っていると、昭和40年代男の筆者的には「こういうのでいいんだよ!」感も漂ってくる。

ステアリング位置と言語というハードルもある中で、796万4000円という価格をお買い得と考えるかはユーザー次第であろう。

しかし、最近の日本市場でアメリカ車を手に入れようとした時、その選択肢は意外と少ない。ジープが一強で、キャデラックコルベットが細々という状況だ。ということで『日産ムラーノ』を始めとしたアメリカの香りがする『令和の逆輸入車』たちがはまる層は、想像より多いのではないかと思っている。

そんなことを思いながら乗った左ハンドルのコクピットから見えた景色は、広大なアメリカの大地に繋がっているようだった……とは大げさだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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