プジョーE-308 GT(1) フロントマスク一新の端正ボディ バッテリー容量拡大 小改良後の電動ハード概説

公開 : 2026.01.26 18:05

小改良でバッテリーが55.4kWhへ拡大したE-308 フロントマスク一新 洗練度の高いパワートレイン 新たにパドル獲得 プジョーらしい軽快な走り 実環境での電費良好 UK編集部が試乗

ジワジワ価格が下がるバッテリーEV

物価高騰は、英国でも深刻だ。国際空港のカフェで普通のコーヒーを頼むと、最近は6ポンド(約1200円)も取られる。だが、バッテリーEVはジワジワと価格が下がり始めている。補助金の恩恵だけでなく、価格競争も熾烈さを増している。

アップデートを受けたプジョーE-308も、そんな1台。2年前なら4万ポンド請求されたモデルへ、2026年には3万245ポンド(約629万円)で乗ることができる。ガソリンエンジンの308より、英国では約1000ポンド(約21万円)高いだけだ。

プジョーE-308 GTプレミアム(欧州仕様)
プジョーE-308 GTプレミアム(欧州仕様)

E-308の特徴といえるのが、エンジン版の308とプラットフォームを共有すること。そのお陰で、見慣れたプロポーションを実現しており、ステーションワゴンのSWも設定されている。EV専用開発のモデルほど、パッケージングへ無駄がないわけではないが。

バッテリー55.4kWhへ拡大 フロントマスク一新

EMP2プラットフォームの都合上、無理なく搭載できる駆動用バッテリーの大きさは限られる。とはいえ、2025年仕様からは高密度化され、容量は51.0kWhから55.4kWhへ拡大した。ライバルには、更に大容量を誇るモデルもあるけれど。

駆動用モーターはフロントに1基で、最高出力156ps。他に選択肢はない。プジョーE-408に載る、209psユニットを選べても良さそうだが。サスペンションは、リアが従来的なトーションビーム式となる。

プジョーE-308 GTプレミアム(欧州仕様)
プジョーE-308 GTプレミアム(欧州仕様)

全長は4367mm、全幅は1852mmと程よいサイズ。全高は1441mmと、低く抑えられている。2025年のフェイスリフトでライト周りが新しくなり、上部のユニットは3本のデイライト。下側の目立たないユニットが、メインのヘッドライトとなる。

シャープなライン構成の、全体的なスタイリングは変わらない。従来までクロームメッキだったトリムはグロスブラックへ置き換えられ、精悍さが増したように思う。

まだ新鮮味ある大胆なダッシュボード

ボディと同様に、インテリアもエンジン版の308と共通。2021年のリリースということで、デザインにはまだ新鮮味がある。ダッシュボードの造形は大胆といえ、中央にインフォテインメント用の10.0インチ・タッチモニターが据えられる。

小径なステアリングホイールと、高めの位置のメーター用モニター、ヒーターが標準で実装されるシートの位置関係は、プジョーのi-コクピット・レイアウトに準じる。ドライバーは、リムの上から速度や航続距離を確認することになる。

プジョーE-308 GTプレミアム(欧州仕様)
プジョーE-308 GTプレミアム(欧州仕様)

トップグレードのGTのみだが、オプションでマッサージ機能を運転席側へ追加できる。とはいえ、ベースグレードとなるアリュールのシートも充分快適。その場合、エアコンの操作パネルが実際に押せる物理スイッチになるのがうれしい。

内装の素材は概ね上質。だが、仕上げから受ける印象には若干ばらつきがある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

プジョーE-308 GTの前後関係

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