ホンダNSX

公開 : 2015.10.29 23:50  更新 : 2017.05.29 19:09

スポーツ・モードに切り替える。これはHR-Vのオーナーが宝くじが当たったときのためにあるモードである。冗談である。

ステアリングは異様にクイックになるが、不思議なくらいに重みがない。したがって高速域で ‘まっすぐ’ を保つのがむずかしい。遅刻しそうな時に、周りのクルマを縫うように走る時には有効かもしれない。通勤モードである。

トラック・モードにすれば、いよいよマクラーレン570Sと向き合う準備が整う。オプションのミシュラン製パイロット・スポーツ・カップ2タイヤを組み合わせた場合はもっと戦闘的になる。

試しに一気にアクセル・ペダルを蹴りこんでみると、本当に車重が1725kgなのかと疑わしくなるような加速を行う。

あわててカーボン・ブレーキを踏む。フィールは硬いものの、ピタリと止まる。ミリ単位の操作にも従順に対応する。

9速のトランスミッションはNSXの専用開発。前後長を短くしているため、重心を車体中央に集めることに成功したのだそうだ。

ショート・レシオのギアがみるみるうちに切り替わっていくため、今が何速なのかがわからなくなる。このモードであれば、レッド・ゾーンまで突き抜けるようにエンジンが回り、設定(強制)されたレヴ・リミットにあっという間に到達してしまう。

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