ベントレー・ベンテイガ

公開 : 2015.11.18 23:30  更新 : 2017.05.29 19:02

W12エンジンを載せているだけに鼻先の動きが軽やかだとはいいがたいが、1350rpm〜4000rpmの91.8kg-mのトルク、5000rpm〜6000rpmの608psの最高出力はフルに使いこなせるとは思えないほどの余裕がある。

一方、低回転域のアクセル入力から高回転域に至るまでエンジンはなめらかに回転するが、高回転域の音は ‘特別’ あるいは ‘高級’ な印象とはいいがたい。

ベントレーはコンチネンタルでも評判のV8エンジンを搭載するかはまだ明らかにしていないが(V12でもこれほど売れているのだから、搭載する必要があるのだろうか?)、V8の発する音も聴いてみたいと思った。

わがままかもしれないが(値段だけに許されると思うが)、ドライブトレインが途切れ途切れの振動を与えることも気になった。

恐らく負荷が小さい際にエンジンとトランスミッションの接続を切り離すコースティング・モードに起因しているのだと思うのだが、接続が復帰する時に、いつもシームレスとはいえないこともあった。

ステアリング・フィールは快適なキャラクター同様になめらかでしっとりしたもの。サーボトロニックであるためロック付近に近づくにつれてクイックになっていく。

室内は恐ろしく静かであり、乗り心地と相まって驚くほど落ち着いている。厚い壁とやわらかな絨毯に囲まれた、邸宅の応接間にいるような気持ちになった。

■「買い」か?

ベントレーは、スポーツ・モデルからラグジュアリー・サルーン、そしてSUVと、幅広いカテゴリーで極上なモデルを作ることができるメーカーとなった。

ベンテイガに立ち向かっていけるのはポルシェカイエンレンジローバーの限られたモデルのみだろう。アルミニウムやレザーをふんだんにあしらった内装を見て、“待っていた甲斐があった” と心から思えた。

(マット・プライヤー)

ベントレー・ベンテイガ

価格 £160,200(3,007万円)
最高速度 301km/h
0-100km/h加速 4.0秒
燃費 7.6km/ℓ
CO2排出量 296g/km
乾燥重量 2440kg
エンジン W型12気筒5950ccツイン・ターボ
最高出力 608ps/5000-6000rpm
最大トルク 91.8kg-m/1350-4500rpm
ギアボックス 8速オートマティック


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