ソーンダースは「それでいて、荒れた道でも乗り心地がアットホームなのは加点すべき。サーキットでの調整のしやすさと、自然吸気エンジンの味わいは現代の奇跡といってもいい」とコメントしていた。

奇跡という言葉はケイマンGT4とも通ずる。あなたがポルシェのことを好きであろうとなかろうと、正確性の高さ、アジャストのしやすさには他を寄せつけないものがある。

しかし、GT4は天候に左右されやすいのも事実。プライヤーは「路面が濡れはじめるまでは欠点がまるでないのだけど、ウェットの場合はかなりナーバスになるね。これを いい意味で ‘オールドスクール’ だといってもいいんだろうけど」と皮肉を含んだコメントしている。

ソーンダースもざっくりと斬った。「たしかにカレラよりも速いことはわかるよ。グリップ力や安定感、バランスの良さも認めるよ」としたうえで「ケイマンってもう少し楽しくあるべきなんじゃないかな」とも。

筆者もそう思う。たしかに楽しいのだが、ケイマンならばもっと楽しめるはずなのである。優秀なだけではつまらない。

以上が、ケイマンをトップにできなかった理由であり、そしてケイマンとアヴェンタドールのあいだにギャップを見つけた根拠である。

(ニック・カケット)