初代 ポルシェ・ケイマン UK版中古車ガイド(1) 911を超えたミドシップの操縦性

公開 : 2026.01.17 17:45

RRより低く捉えられがちなポルシェのMR 実は911凌駕の操縦性 仕様で運転体験は大きく異なる 弱点が解消した後期の987.2 今も昔も優れる価格価値 UK編集部が初代の魅力を再確認

低く捉えられてきたポルシェのミドシップ

リアエンジンのポルシェ911は、癖のある操縦性にも関わらず、スポーツカーとして定常的に支持を集めてきた。対してミドシップのポルシェは、常に911より低く捉えられてきた。1969年の914だけでなく、2005年の987型ケイマンも。

スタイリングを手掛けたのは、ピンキー・ライ氏。シャシーバランスに優れ、操縦性は911より優れることは間違いなかった。それでも、憧れの対象は911。ボクスターより特別感はあったが、予算を増やし、リアエンジンの象徴的モデルを選ぶ人は多かった。

ポルシェ・ケイマン(987型/2005〜2012年/英国仕様)
ポルシェ・ケイマン(987型/2005〜2012年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

AUTOCARは、ケイマンを絶賛した。「高速域での安定性は素晴らしい。911を凌駕するほど。公道では、パワートレインも完璧でしょう。反応が良く粘り強く、個性豊かで、不満ないスピードを叶えています」

MTは、ベースのケイマンでは5速だったが、1つ上のケイマン Sには6速を用意。ATは、当初はトルクコンバーター式の5速が設定されたが、2009年のフェイスリフトでデュアルクラッチの7速PDKを獲得している。

オプションや仕様で運転体験は大きく異なる

中古車のオプションとしては、ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネジメント(PASM)が価値あり。車高が10mm落ち、アダプティブダンパーが組まれる。ローンチコントロール機能が追加される、スポーツクロノ・パッケージも望ましい。

オーディオやナビゲーションも、オプションでアップグレードでき、活発に走りたい向きにはスポーツシートも用意された。ラゲッジセットも魅力的。カーボンセラミック・ブレーキは高価で、装備されている例は少ない。

ポルシェ・ケイマン(987型/2005〜2012年/英国仕様)
ポルシェ・ケイマン(987型/2005〜2012年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

特にシリアスだったのが、モデル末期のケイマン R。英国では、987型で最も人気が高い。車高が低く、シャシー剛性が高められているが、エアコンは備わらない。

987.2型への改良で、水平対向6気筒エンジンは直噴システムを採用。アキレス腱といわれた、インターミディエイト・シャフトが省かれている。オプションや仕様によって、運転体験は大きく異なる。事前に良く試乗し、お好みの1台を探したい。

オーナーの意見を聞いてみる

「ポルシェの技術者が、欲しいと考えるクルマに仕上がっていると思います」。と987型ケイマンを説明するのは、写真の「S」のオーナー、デビッド・ウィリアムズ氏。「3年前に購入しましたが、信じられないほど運転体験は素晴らしいです」

「グリップ力は極めて高く、先に勇気が限界を迎えるほど。技術力と製造品質の高さに惹かれますね。価格に見合った内容で、価値は下がりにくい。同年代のボクスターより、運転体験は遥かに面白いですよ。きちんと組み立てた、TVRのよう(笑)」

ポルシェ・ケイマン(987型/2005〜2012年/英国仕様)
ポルシェ・ケイマン(987型/2005〜2012年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

「サスペンションは腐食が酷く、専門ショップへリビルドをお願いしました。981型のケイマン GT4も所有していますが、どちらも最後まで残すクルマになるでしょうね」

記事に関わった人々

  • 執筆

    マルコム・マッケイ

    Malcolm Mckay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジェームズ・マン

    James Mann

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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