赤い方が2代め991。いわばデビュー直後の新型だ。ところどころ池のような水たまりができた、びしょびしょの道でも動じることなく簡単に走り抜けられる。

それに静か。とにかく静かだ。エンジニアが「エンジン音を静かにするためにターボ化という道を選んだんです」といったとしても、こくりと頷いてしまいそうだ。

アクセルの踏み具合に対する反応も実に鋭い。これまでのターボは一体何だったの? と思わずショックを受けるくらい鋭い。

パワーの立ちあがり方は穏やかだ。

よくある ‘ドッカン’ な印象がまるでなく、1700rpmあたりの力強さはターボならではのものだが、そこから5600rpmまでの回り方は実になめらかで気持ちがいい。

これまでの(たとえCO2基準へのへつらいだったとしても)苛々させられるロング・レシオが一気に正当性を増す。それでいて反応が鋭いというのだからすごい。

ただ、前期型の自然吸気らしい、引っかかりのない回転感が恋しくなるのも事実だ。新型ユニットがザラついているとまではいわないが、先代のキャラクターはない。

新型のエンジンは実際のところ、掛かったあとのエンジンは極めて静か。普通に使っているだけならば、耳障りだと感じることは一度もない。

初期型をまったくおなじ道で繰り返し試したがショックを受けた。ボディのコントロールのしやすさが、まったく違ったからだ。

乗り心地を悪化させるの20インチのホイールのせいにできたらどんなによかったことか。