エンジンに関していえば、ポルシェはターボを組みこむことによって生じる ‘しがらみ’ から脱したと思う。

ポルシェが心からターボを採用したかったかどうか、真意は別として、技術力という直球でターボによる問題を打破したといっていい。

しかし覚えておいてほしいことがある。

日々のつまらぬ骨折り仕事から解き放たれたいと思うならば、自然吸気の991の方が、すばやく非現実の世界にワープさせてくれるということを。

自然吸気の方が911らしい。少なくともこれまでのヒストリーを見事にトレースしている。

ただ同時に、これまでの911らしさがそのまま正義にはなり得ないということも知っておくべきだ。

常にあらたなフェイズへと脱皮していくことを911らしさというのならば、自ずとフェイスリフト版の方に天秤は傾く。これは間違いない。

(アンドリュー・フランケル)

ポルシェ911カレラ(991初期型)

0-100km/h加速	4.8秒
燃費	11.1km/ℓ
最高出力	350ps/7400rpm
最大トルク	39.7kg-m/5600rpm
最大トルク	39.7kg-m/5600rpm
パワー・ウエイト・レシオ	237ps/トン
比出力	101ps/ℓ

ポルシェ911カレラ(991フェイスリフト版)

0-100km/h加速	4.6秒
燃費	12.0km/ℓ
最高出力	370ps/6500rpm
最大トルク	45.9kg-m/1700rpm
最大トルク	39.7kg-m/5600rpm
パワー・ウエイト・レシオ	245ps/トン
比出力	124ps/ℓ