スバル・レヴォーグ

公開 : 2016.03.08 23:50  更新 : 2017.05.29 18:41

カントリーサイドに住み、スバルらしさに慣れ親しんでいるならば、安定感あるハンドリングと、精緻な反応に懐かしさも感じるはずだ。

これまでのスバルらしさから(悪い意味で)逸しているのは、電制パワー・ステアリングの味わいだ。レガシィフォレスターインプレッサで感じていたような、ドライバーを鼓舞するキャラクターは見られない。

ロック・トゥ・ロック2.8ターンという仕立ては、レヴォーグの鼻先を十分に素早く動かすうえ、重みもよく考えられているのだが、フロント・タイヤがどのような状態にあるのかを想像しづらい。

ブレーキの制動力はよし。踏み始めからソリッドに効き、踏んだ量に比例してリニアに制動力が立ちあがる。

トラディショナルなファミリーカーに比べると、ボディの動きが極めてよくコントロールされているのもレヴォーグの特長だ。ロール量も少ない。ただ興奮はしない。

スタビリティ・コントロールはドライ路面ではマナーよく介入する。ウェットは改善の余地ありだ。

■経済性とランニング・コスト

“装備内容は◯。価格に対する動的性能は△” ― ニック・カケット(ロードテスター)

英国内では、296psを発揮する2.0ℓエンジンを搭載するモデルが輸入されず、1.6ℓのエンジンを載せたGTグレードしかない。

しかし、キーレス・エントリー/スタート、フロント・シート・ヒーター、ナビ、18インチ・アロイ・ホイール、自動ワイパーはすべてスタンダードである。

しかし実際に支払う価格を考えると、これよりも£100(1万6千円)安く、フォード・フォーカス・エステートのトップ・スペックであるST3が買える。

ST3は150psの1.5ℓエコブースト・エンジンを搭載するが、燃費は17.8km/ℓ。対する1.6ℓボクサーは14.1km/ℓだ。実測値は12.1km/ℓまで落ち込む。

また、山肌を転がり落ちる岩のような値下がりは避けられない。中古で買う向きにはいいが、新車を手放す場合、他のライバルが羨ましくなるはずだ。


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