その代わりに、静かに、なめらかに、効率よく回るエンジンをレヴォーグは手にした。

0-97km/hタイム=8.4秒という値も十分にコンペティティブだ。たとえば1.5ℓの150psエンジンのフォード・フォーカス・ワゴンならば10秒を切る程度だ。

それにわずか1800rpmで最大トルクが立ちあがり、広いレンジで持続する。数字よりも大きい排気量のエンジンを搭載している感覚だ。

小さなエンジンにターボを組み合わせるため、本領を発揮するまでわずかながらの待ち時間を要すが、何もCVTを批判するつもりまではない。

スロットル・レスポンスもお世辞にはシャープとはいえないが、エンジンのピック・アップの足を引っ張るほどでなない。これも大きな問題ではない。

‘i’ モードと ‘s’ モードの違いはよくわからない、というのがほとんどのテスターの共通認識であった。

■乗り心地とハンドリング

“時に足元がバタつくが、全般的には粘りづよく、鼻先の動きも素早い” ― マット・プライヤー (ロードテストエディター)

われわれが ‘スバルらしい’ という表現をするとき、それは長きに渡ってスバルが煮詰めてきたハンドリングのことをいい、多くの場合、賛辞と非難の両方を含んでいる。

まずは非難の方から。というのも、これは致命的ではないからだ。路面が悪くなると、乗り心地にエッジが目立つようになる。そして少し騒がしくなる。

一方でスバルらしいセットアップとすることで、アドバンテージもある。4WDシステムが常に頼りになるトラクションを生みだす。それでいてアジリティが損なわれていないのもいい。

グリップもたっぷりだ。225/45 18インチという決してファットでも(今となっては)特別大径ではないタイヤにも関わらず、レヴォーグはよく粘ってくれる。