ただ、英国のように道幅が狭いところが多い場合、さすがに恰幅のよさを感じる頻度は増すだろう。グリップを最大限に引きだすような走りは、危険を伴うはずだ。

パナメーラに興味のあるカスタマーがケイマンのようなハンドリングを求めることはないだろうが、よりパワーが少なく、コイル・スプリングを組みあわせた、後輪駆動のモデルの方がもっと楽しそうだとも感じる。

強大なトルクに対して、ブレーキが力不足だと感じることあなく、スポーツ／スポーツ・プラス／ノーマル／インディビジュアル・モードの切り替えもはっきりとしている。もし、どのモードにしようか迷った場合は、快適性とレスポンスのよさを両立させた ‘スポーツ’ がいいだろう。

時間の制約があるテストだったため、後席のドライブは許されなかったものの、身長193cmの筆者が自分のスタイルに合わせた前席の後ろに座ってみるかぎり、ごくふつうに体を収めることができた。

これは平均身長を超える大人が4名座ったとしても、距離に関係なく快適に旅を楽しめることを証明する。それも、かなりのスピードで、かなり静かに、である。