■どんな感じ?

全長は5mちかく、ハッチバックとはいえセダン的なスタイリングだ。グロスブラックのスポイラーは小振りで、７色のボディ・カラーには大胆な色味も含まれるが、アウディのSラインほどアグレッシブな雰囲気を醸しだしてはいない。つまり外観は決して派手ではない。

内装はアルカンターラを用いたスポーツ・シートやカーボン調トリムが目新しいが、他グレードとの差異はその程度。つまり、すばらしいドライビング・ポジションや高い質感、配置や押し心地が完璧といえるスイッチ類も、スパーブの美点はすべてそのままだということだ。

インチアップやロー・ダウンのせいで乗り心地が悪くなることを覚悟したが、今回の試乗においては杞憂だったこともわかった。最近では珍しく、どんな状況でも苦痛を感じない乗り心地の持ち主だとさえいえる。

個人的な推測だが、この19インチのセットは、それ以下のものより軽量で、そのことが乗り心地の質を高めるうえでアドバンテージになっているのではないだろうか。

速さの点でいえば、スポーツライン仕様になっても上積みはない。0-100km/h加速5.8秒、最高速度250km/hというスコアは、同じドライブトレインの他グレードと同じままだ。