ベントレー・コンチネンタルGTC S(1) ハイエンド・コンバーチブル市場で独壇場 ただし価格は3万5000ポンド安でライバルは別モデル

公開 : 2026.11.02 18:05

減少傾向の最上級コンバーチブルにあって、孤高の存在といえるベントレー・コンチネンタルGTC S。スピード譲りのアクティブシャシーに、V8ツインターボ・プラグインハイブリッドを備えています。UK編集部の試乗記です。

減少傾向にあるハイエンド・コンバーチブル

圧倒的なパワーとラグジュアリーさを兼ね備えた、ハイエンド・コンバーチブルは減少傾向にある。ロールス・ロイスは、ドーンの注文を2022年に停止。メルセデス・ベンツ Sクラス・カブリオレも、2021年に生産を終えている。

現在は、ベントレー・コンチネンタルGTCの独壇場といってもいい。ただし「S」の場合、コンチネンタルGT スピードと同等のシャシーを得つつ、抑えられた馬力と引き換えに、英国では3万5000ポンド(約728万円)も安く設定されている。

ベントレー・コンチネンタルGTC S(英国仕様)
ベントレー・コンチネンタルGTC S(英国仕様)

つまり、アストン マーティン DB12 ヴォランテや、マセラティ・グランカブリオといったモデルが、競合関係になってくる。万能選手、ポルシェ911 ターボのカブリオレも。

「S」はスポーティなコンチネンタルGTCでありつつ、軽くはないハイブリッドでもある。実力派が少なくない、オープンエア・ドライバーズカーへ仕立てる必要がある。

スピード譲りのパフォーマンス・アクティブシャシー

コンチネンタルGTC Sを具体的に見ていくと、最新の2チャンバー・エアサスペンションにトルクベクタリングLSD、専用チューニングのESC、クラッチベースの前後トルク分配システムなどを実装。アクティブ・アンチロールバーや後輪操舵システムも備わる。

これらは基本的に、GTCの頂点を飾るスピード譲りで、ベントレーは「パフォーマンス・アクティブシャシー」と呼ぶ。一方のパワートレインは、「ハイパフォーマンス」と名付けられたプラグインハイブリッド。4.0L V8ツインターボが主役となる。

ベントレー・コンチネンタルGTC S(英国仕様)
ベントレー・コンチネンタルGTC S(英国仕様)

エンジン単体での最高出力は、519ps。8速デュアルクラッチATに永久磁石同期モーターが内蔵され、190psを加算し、システム総合で680psが主張される。駆動用バッテリーは25.9kWhで、荷室の床下へ積まれ、理想的な重量配分が狙われた。

ただし、車重は2636kg。コンバーチブルとして7層構造のソフトトップを背負い、サイドシルやフロントピラーなどは強化され、パワートレインを共有する4ドアのポルシェ・パナメーラ・ターボS Eハイブリッドより271kgも重い。

イエロー塗装にカーボンでダイナミックにも

「S」での見た目の違いは限定的。ボディトリムはダーク調でコーディネートされ、スポーティな形状のサイドスカートをまとう。試乗車のようにサイバー・イエローで塗装され、カーボン製パーツを組み合わせると、相当にダイナミックな雰囲気にもなる。

試乗車の22インチ・ホイールは、オプション。標準は21インチの10スポークで、筆者はそちらの方が好みだ。タイヤサイズはGT スピードと同等で、リアの幅は315もある。

ベントレー・コンチネンタルGTC S(英国仕様)
ベントレー・コンチネンタルGTC S(英国仕様)

また、アクラポヴィッチ社製チタンエグゾーストも、約1万ポンド(約208万円)の追加アイテム。両社のロゴが控えめにあしらわれ、10kgの軽量化に繋がるそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ベントレー・コンチネンタルGTC Sの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

Google検索で『AUTOCAR JAPAN』の記事を見つけやすくする方法