オークションの読み方 1億円割れのF40「ボナムス・グリニッジ・オークション」

最終更新日:2017.06.08

オークションの “読み方” を学べる「オークション・リザルト」 今回は、出品車両の90%以上が落札されるなか、低調に終わったフェラーリF40も見られた「ボナムス・グリニッジ・オークション」を読み解きましょう。

4ページで分かる「ボナムス・グリニッジ・オークション」の “読み方”

●2016.06.04 ボナムス・グリニッジ・オークション
6月に入りボナムスは、アメリカ東海岸のグリニッジで開かれたコンクール・デレガンスにリンクしてオークションを開いた。イベントの性格に合わせ、古今東西の様々なモデルが用意されたのでご紹介しよう。

text: Kazuhide Ueno(上野和秀)

ポイント1 コンクールと共催 戦前モデルがゾロゾロ

アメリカ東海岸、それも北部にある州は独自のクルマ文化を持つ。もともとイギリスからの移民で成り立った国だけに、クルマ文化もイギリスを始めとする欧州寄りの傾向が顕著になっている。

そのアメリカ東海岸のニューヨーク近郊にあるコネチカット州グリニッジで行われたコンクール・デレガンスに共催してボナムス・オークションが開かれた。新旧のアメリカ車はもちろんのこと、イギリス車を始めとする欧州車を幅広く取り揃え、94台が出品された。

ポイント2 90%以上が落札 あらゆるコレクターが入札

ここではフェラーリF40ブガッティ・タイプ49ロードスターなどの特上クラスから、サビサビのプロジェクトまで、あらゆるコレクターに向けた車両が登場している。全体を見れば10万ドル超えの落札車は15台、20万ドル以上で落札されたのは7台で、全般的に一般の愛好家が買える価格帯が主となっていたのが特徴。そのため落札率は91.2%と極めて高かった。

コンクール・デレガンス併催のオークションだけに、ヴィンテージ期を始めとする戦前のモデルが持ち込まれ、盛り上がりを見せていた。地元のアメリカ車は1931年型フォードA型からフランクリン、パッカード、ピアスアローなどの各時代を代表するモデルが並んだ。欧州車では、ブガッティはタイプ49と57が姿を見せ、このほか1925年型ベントレー3ℓ 4シーター・ツアラー、1939年型BMW327/328カブリオレ、1921年型ロールス・ロイス40/50HPシルバーゴースト・ドロップヘッド・クーペなど16台が存在感を放っていた。

次ページから、トピックとなるモデルを個々に分析していこう。
 

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