なぜPSAはオペルとヴォグゾールを手に入れたのか GM離脱による未来は?

公開 : 2017.06.11 11:10  更新 : 2021.03.05 21:43

なぜR&D部門だけ売らなかったのか?

ここはディーゼルエンジンの開発を手掛ける施設であり、GMがいまだにディーゼルの有用性を認めていることが見て取れる。

ともあれ、この買収が成功すれば、長年にわたりオペルヴォグゾールの頭痛の種だった収益の問題が解決する。今でこそ順調に戻しているが、このブランドはしばしば不安定な状況に陥ってきたのだ。

PSAは少なくとも、ふたつのブランドの歴史を尊重し、名前は残すとしている。

ただし、短中期的な安定は得られても、生産設備の行方については絶対的に保証されたわけではなく、今後も立ちはだかる課題となるだろう。

カルロス・タバレスCEOによれば、PSAは黒字回復し、利幅の拡大を続けているという。

年産100万台規模のメーカーを抱え込むことは、この回復を加速する上でなかなかの難題になる。短期的に見れば、これはおそらく挑戦だ。しかし、将来的には利益を生む可能性も見込める。

GMがPSAの株式を7%取得して5年が経ち、両社の共同事業は動き出した。株式はすぐに売却されたが、協業は続き、その成果をわれわれはいよいよ目にすることとなった。それが2008ベースのクロスランドXと、3008ベースのグランドランドXだ。

この2台のSUVが明らかにしたのは、プラットフォーム共用戦略が、少なくとも短期的には混乱を招くということだ。

オペル/ヴォグゾールにはすでに、クロスランドXとサイズが重複するモッカXがある。にもかかわらず、2008プラットフォームの利益率を高めるため、新型車を投入したのだから。

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